安らぎ空間、次世代サービス 福島・大熊に民間ビジネスホテル、来年1月オープン
東京電力福島第1原発事故からの地域再生が進む福島県大熊町に来年1月11日、震災後初の民間投資による宿泊施設「タイズヴェルデホテル」がオープンする。同町大川原地区の町役場近くに立地、大熊を訪れるビジネス客や視察者の宿泊需要に応えるほか、復興の現状などを発信する拠点としての活用を目指す。19日は竣工(しゅんこう)式が行われ、運営するタイズスタイルの吉田学社長は「安らげるホテルとなるよう心がけ、大熊を訪れる人をつなげていきたい」と語った。
世界的デザイナーが庭園を設計
ホテルは管理棟や宿泊棟など5棟で構成し、ツインルーム10室、シングルルーム72室を備える。庭園の設計を世界的な庭園デザイナーの石原和幸さんが務めるほか、町内の大熊インキュベーションセンターで活動するベンチャー企業が開発した最新のモビリティー機器を導入するなど、次世代のサービスを提供する。 町の宿泊事情を巡っては、公設民営の宿泊施設が整備されているが、復興事業などで訪れる多くのビジネス客の宿泊を受け入れることは難しかった。町内ではJR大野駅周辺で再開発や企業進出が進んでおり、ホテルの完成により来町者が大熊に滞在する環境が生まれ、地域経済のさらなる活性化が期待される。
「地域と連携したホテルに」
竣工式には、吉田淳町長や蜂須賀礼子町商工会長、工事関係者や地域住民ら約80人が出席、テープカットなどで完成を祝った。吉田社長は大熊町出身で、浜通りの広域連携団体「HAMADOORI13(浜通りサーティーン)」の代表も務める。ホテルの完成に「夕食は周辺の飲食店で食べてもらうなど、地域と連携したホテルにしたい。地域再生の進度に応じて、将来は大学の活動拠点などとしても利用できるような設計にした。地元企業のチャレンジです」と語った。 問い合わせや予約などはタイズヴェルデホテル(電話0240・23・3945)へ。
福島民友新聞社