原辰徳氏「私の人生の中で燦然と輝いた存在です」…渡辺恒雄氏からの言葉を糧に再任後8度優勝
読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏が19日午前2時、肺炎のため、都内の病院で死去した。98歳だった。渡辺氏の訃報(ふほう)に接し、原辰徳氏(66)が悲しみのコメントを寄せた。 前監督で、オーナー付特別顧問の原氏は突然の訃報に驚きを隠さなかった。「私にとって、野球だけではなく、人生においても強い影響を与えていただいた恩師でした。野球界のため、日本のため、世界のためにご尽力いただき、本当にありがとうございました。心よりご冥福(めいふく)をお祈りいたします」。球団を通じて発表したコメントで、感謝の気持ちを示した。 信頼関係は厚い。選手、コーチを経て01年シーズン終盤、当時オーナーだった渡辺氏に長嶋監督の後継者として指揮官に任命された。就任1年目の02年にリーグ優勝、日本一を達成。だが翌03年は3位に終わり、3年契約の2年目ながら監督の座を辞した。当時、渡辺氏がその交代を「読売グループ内の人事異動」と表現したことで世間の関心を集めることにもなった。 原氏は「再任する時期が来るだろう」と渡辺氏に贈られた言葉を糧に野球を一層、勉強。再登板となった06~15年の2次政権、19~23年の3次政権で、8度のリーグ優勝を達成。「厳しいご指導をいただいたこともありましたし、温かい言葉で励ましていただいたこともあります。渡辺主筆は、私の人生の中で燦然(さんぜん)と輝いた存在です」。名将への階段を上る際、常に激励してくれた存在だった。
報知新聞社