フランス当局がテレグラム創業者を起訴、「出国禁止」に
パリ地方検察庁は現地時間8月28日、通信アプリのテレグラムの創業者でCEOのパベル・ドゥーロフを児童の性的虐待コンテンツの配布や麻薬販売、詐欺、マネーロンダリングに関連する多数の罪で正式に起訴したと発表した。 フランスの警察は、24日にパリのル・ブルジェ空港でドゥーロフを逮捕していた。 保有資産が155億ドル(約2兆2300億円)と推定されるドゥーロフは、すでに身柄の拘束を解かれたが、司法の監督下に置かれており、500万ユーロ(約8億円)の保釈金を支払う必要がある。彼はまた、フランス警察に週に2回出頭することを求められ、出国を禁止されている。彼の代理人は、コメントの求めに応じなかった。 フランスの当局によれば、テレグラムの特に児童の性的虐待素材(CSAM)に関する監視の欠如や、欧州の法執行機関からの要請に真摯に応じない姿勢が、ドゥーロフの起訴につながったという。 「テレグラムが司法の要求にほとんど対応していないことがサイバー犯罪対策部門の注意を引いた」とパリ地方検察官のローリー・ベッコーは声明で述べた。彼によると、他のフランスの捜査機関や検察官、欧州の司法協力機関のユーロジャストの、特にベルギーのパートナーが同様の見解を共有したという。テレグラムの広報担当は、フォーブスのコメント要請にただちに応じなかった。 フォーブスは、この件とは別にドゥーロフが、元交際相手とその3人の子どもが居住しているスイスでも刑事告訴されていたことを28日に報じていた。彼は息子に対して複数回にわたり暴力を振るったとされ、パリでも一度そのような事件を起こしたという。ドゥーロフは、代理人を通じてこれらの告発についてのコメントを拒否した。 関係者によるとドゥーロフは、フランスの未成年者保護機関(OFMIN)による子どもへの暴力の疑いに関する関連調査の対象にもなっている。 フォーブスは以前、テレグラムには人工知能(AI)で生成したものや実物のCSAMが多数存在すると報じていた。米国の当局は最近の裁判でテレグラムが、多くの場合、法執行機関の調査に協力しないと指摘し、「CSAMの配布のためのプラットフォームになっている」と非難していた。 米国の連邦検察官は、今週もある陸軍兵士が「CSAMを保存するためにテレグラムの公的なグループを作成し、子どもがレイプされる動画を自分に送った」と主張していた。