マレーシア中銀、政策金利据え置き 通貨不安定化を警戒
[クアラルンプール 6日 ロイター] - マレーシア中央銀行は6日、今年最後の政策決定会合で市場の予想通り政策金利を3.00%に据え置いた。良好な経済成長見通しやインフレの落ち着きが背景。金融政策はなお経済支援的で、インフレ・成長の見通しに関する現段階の認識と整合的とする一方で、通貨リンギの不安定化に警戒感を示した。 中銀は昨年5月以降、政策金利を3.00%に据え置いている。ロイターのエコノミスト調査では少なくとも2026年まで据え置きが予想されている。 中銀は、最新の指標で経済活動の持続的な力強さが示されていると表明。底堅い国内支出と輸出の増加がけん引役だとの認識を示した。 総合インフレ率とコアインフレ率が引き続き落ちついているとし、年初来の平均が1.8%だと指摘した。 中銀は「来年にかけてもインフレは引き続き管理可能とみられる。グローバルなコスト状況の緩和と過度な内需圧力の不在が背景だ」とした上で、政府の政策が引き続きインフレ見通しに影響するとの警戒感も示した。 キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ハリー・チェンバース氏は「25年に政策金利の変更を予想していない。この予想が大勢だ」と述べた。 政府は今年、軽油・電力・鶏肉などに対する補助金を削減。先月には今年の経済成長予測を4─5%から4.8%─5.3%に上方修正した。 中銀は、インフレ見通しは依然、政府の政策や国際商品相場、金融市場の動向の影響を受けると指摘、米大統領選の結果を受けてリンギの振れが大きくなる可能性もあるとした。 キャピタル・エコノミクスのチェンバース氏は、米大統領選でトランプ氏勝利の見込みが伝わると、リンギが他のアジア通貨とともに売られたとし、「通貨の安定は中銀の責務ではないが、金融市場の不確実性は中銀が安全な道を選ぶ根拠になるだろう」と述べた。