「あの子の子ども」に出演するJO1・河野純喜

桜田ひより主演のドラマ「あの子の子ども」(毎週火曜夜11:00-11:30、カンテレ・フジテレビ系) が現在放送中。蒼井まもるの同名少女漫画を原作とし、“高校生の妊娠”をテーマに、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描く物語。WEBザテレビジョンでは、そんな本作に出演するJO1の河野純喜にインタビューを実施。連続ドラマ初出演となる河野が、演技の仕事の難しさや高校時代のエピソードを明かした。 【写真】美しい横顔で先を見詰める…JO1・河野純喜 ■主人公の親友に思いを寄せる高校生役を演じる ――ドラマ「あの子の子ども」は、“高校生の妊娠”というテーマを扱っています。河野さんはヒロイン川上福(桜田ひより)のクラスメートで、福の親友の矢沢望(茅島みずき)に思いを寄せる飯田智宏を演じますが、原作や台本を読んで思ったことを教えてください。 主人公の福と宝(細田佳央太)、彼らの友だち、そして家族の関係性がすごくリアルだな…と思いました。読んでいて楽しかったけれど、苦しくなる部分もあって。だからこそ、作品が深いんでしょうね。僕が演じる飯田智宏はムードメーカーなので、「作品のスパイスみたいなポジションになれるといいな」と思いました。 ――河野さんもJO1のムードメーカーなので、似ていますね。 いやもう、とっても似ていると思います！　初の連ドラということもあり、撮影初日に僕、ガチガチに緊張していたんです。すごく考えて行ったのに、それが本番でできなくて、焦って。でもカットがかかった時は安心して、素に戻っていたみたいなんです。それでアベラ監督に、「それそれ。(カット後の)今の雰囲気で演じて」とよく言われていて。「飯田は、素の僕に近いのか」とわかってから、役に入りやすくなった気がします。だから今はガッツリ準備していくのではなく、その時に自分が感じるものを素直に出すようにしています。 ――作らなくても大丈夫だと。 何も作らないというのも、それはそれで難しいんですよ(笑)。「何をしたらいいんだろう？」という気持ちになっちゃうので。「これでいいのかな？」と思いながら進んでいる感じはします。 ■初めての現場では無意識に踊っていた ――(JO1として)ドームで歌うアーティストでも緊張するんですね。歌う時と、ドラマの現場の緊張感は、違うものでしたか。 本当に違いましたね。お話をいただいた時に事務所のスタッフさんに、「テーマもテーマだし、役者さんもすごい方々が揃っているから」と言われてプレッシャーを感じていたのもあるけれど、歌は僕にとってホームみたいな感覚なんです。もちろん歌う時も緊張しますけれど。でも演技って、アウェーというか…。初めて現場に入った時は、ずっと踊ったり歌ったりしていた…らしいんです(笑)。完全に無意識で、自分では気付いてなかったのですが、少しでも自分の慣れている方に持っていっていたのかな？　でも今は、ノビノビやらせていただいています。 ――ノビノビできるようになったきっかけは？ 監督含めて周りの皆さんが、僕のことを楽しんでくれているというか、笑ってくれるんですよ。それに救われて。 ――作中の矢沢と飯田の楽しいやりとりは、見ている方も笑顔になりますしね。 監督には「矢沢と飯田は、夫婦漫才みたいに」と言われているんです。関西出身の僕には、飯田がウザがらみして、矢沢に「キモい」と言われる感じが心地よくて。茅島さんには「キモい、もっとちょうだい！」と言っているくらいです(笑)。 ■悩みや挫折がたくさんあった高校時代 ――アウェーがだんだんホームになってきている感じなんですね。高校生が主人公ということで、河野さんも高校生役。実年齢から10歳ほど年下の役ですが、制服、似合っていますね！ JO1の企画で制服を着ることもあるのですが、コスプレみたいな感覚。でも今回は、17歳として存在しないといけないというプレッシャーみたいなものがありました。 ――今の高校生を演じてみて、自分の高校時代と変わっていましたか。 変わらないですね。好きな人にドキドキしたり、多感なところは高校生らしいなと思います。 ――制作発表では、「高校時代は目立ちたがりで、友だち作りのために入学初日から各クラスを訪問して歌った」というご自身のエピソードを披露されていました。そんな陽キャ高校生の河野さんにも、悩みはあったのでしょうか？ ありましたよ。もう、高校受験から悩みだらけで。受験のための模試では、志望校E判定(可能性20％以下)。しかも、模試を受けた人の中の志望校別順位で最下位だったこともありました。どうにか志望校に合格できて、サッカー部に入部しても、サッカーで結果を出せなくて、試合に出られなくて落ち込んだり…、高校に入ってからも悩みや挫折がたくさんありました。 でも僕ってずっと、自分が優れた状況にいたことが少ないんですよね…。逆境が多かった。だからそれくらいのポジションの方が、自分には心地よくて。「どうせダメなんでしょ」くらいの方がノビノビできるみたいで、好んでそっちに行っている気がします。チャレンジャー体質なのかもしれないですね。 ■楽しんで取り組むことが大事 ――初の連ドラ出演ですが、改めて役者という仕事に対してどのような想いを抱いたのかを教えてください。 歌とは、また違いますよね。台本の1文字1文字を大切に汲み取って、自分なりに解釈して演じるってすごい仕事だなと思います。このドラマを終えるころには、僕も人としての深みが増しているんじゃないかな？ でも、演じるという仕事を思った以上に楽しんでいます。うん、好きですね。そう思わせてくれるスタッフさんにも感謝ですし、楽しめているということは、向いているのかも。監督に「もっと悩んでくれ」と言われるかもしれないけれど、楽しむのも大事だと思うので、これからも楽しんでやっていきたいと思います。上手いか下手かはわからないけれど…、ね(笑)。 ――この作品から、視聴者の方に受け取ってほしいことは？ 福と宝、2人を見届けるような気持ちで観ていただきたいです。この作品って、主人公と同世代の高校生だけじゃなく、親御さんの世代はもちろん、あらゆる世代の方々の心に響くと思うんですよ。特に高校生は、共感する部分がすごく多いはずなので、教科書のように受け取って、糧にしてほしいです。 でも重いだけの話じゃなくて、僕が演じる飯田と矢沢には主役の2人とは違った視点で繰り広げる微笑ましいシーンもありますので、飯田と矢沢にもワクワクドキドキしながら観ていただけたらうれしいです。すごくいいんですよ(笑)。とても純粋に、すごく青春だなと思うので！ ◆取材・文＝坂本ゆかり