「富士山ローソン」目隠しも富士山人気不変 オーバーツーリズムでもビジネスチャンス
「富士山ローソン」と呼ばれ、外国人観光客が殺到するスポットに黒い幕が設置されました。そんな深刻化するオーバーツーリズムをビジネスチャンスと捉え、新たに移住する人が増えています。 【画像】“富士山ビュー”堪能!…古民家が“昭和レトロ”ゲストハウスに変身 移住先にも
■外国人観光客 “別の場所”へ流れる
マレーシアからの観光客 「少し不親切だなと思います」 マレーシアからの観光客 「観光客に写真を撮らせないようにするなんて驚きました」 外国人観光客が見つめるのは、黒い幕の設置作業です。 富士山がローソンに乗っているように見える写真が撮れるとして、SNSで拡散、一躍人気となった「富士山ローソン」。 狭い歩道上に多くの外国人観光客が密集し、危険な道路横断も頻繁に起きていました。路上に座り込む人や、ゴミのポイ捨ても…。 住民からの苦情が増加したことから、山梨県富士河口湖町は黒い幕を設置し、富士山を隠すことにしたのです。 富士山の撮影スポットとなっていた歩道は黒幕で視界の広い範囲が覆われました。撮影は難しく、背伸びをしたとしても、富士山の様子は捉えることができません。 しかし、そこから1キロ離れた、黒幕が張られていない別のローソンには、大勢の外国人観光客の姿がありました。 カナダからの観光客 「バスツアーで来ました。富士山とコンビニ、本当に美しいですね」 インドからの観光客 「驚きました。こんな絶景は今まで見たことがありません」 さらに、富士山と昔ながらの商店街を撮影できる場所には、至る所に外国人観光客が殺到していました。
■古民家をゲストハウスに ビジネス拡大も
周辺ではインフラの整備が追い付いていないため、宿泊施設や飲食店が不足し、オーバーツーリズムの問題が深刻になっています。 この事態をチャンスと捉え、いち早く動いた企業がありました。 東京に本社を構えるIT企業が去年11月から始めたのが、富士山がよく見える古民家をリノベーションし、ゲストハウスとして貸し出すビジネスです。 バーベキューができる広いテラスでは、迫力ある“富士山ビュー”を堪能することができます。 キャップクラウド 事業開発リーダー 鈴木侑さん(38) 「今月、先月、先々月と(入室率)100%。需要はすごくあるので、2軒目、3軒目、4軒目、5軒目…とやっていきたい」 鈴木さん 「(Q.ここが新しく作っているゲストハウス?)そうです。1階が築70年、2階が築50年くらいの“純古民家”」 外から見ると古さが目立つ住宅ですが、2階の窓からは大きな富士山を臨むことができます。 古民家に残る“昭和レトロ”な家具はSNS映えするとして、若い世代や外国人観光客に人気で、耐震補強や水回りをリノベーションをする計画だといいます。