〈鹿児島県知事選〉「県民の熱い期待感じた」再選の塩田さん、政策充実の2期目へ「稼ぐ力向上」誓う
鹿児島県民の選択は「安定」だった。7日投開票の鹿児島県知事選は、投票終了と同時に現職の「当選確実」が報じられた。幅広く支持を集めた塩田康一さん(58)は「県民の熱い期待を感じた」と充実感をにじませ、2期目に意欲を示した。いずれも新人の米丸麻希子さん(49)と樋之口里花さん(52)は変化や刷新を訴えたが、初の女性知事には届かなかった。戦後最多7人が争った前回より県民の関心が高まらず、投票率は5ポイント超も低下した。 【写真】後援会から花束を受ける塩田康一さん=7日午後8時20分、鹿児島市東千石町
「幅広い支援をもらい、県民党として戦った。今後4年、県勢発展にしっかり取り組む」 再選を果たした塩田さんは力強く抱負を語った。選挙戦当初から現職の知名度を生かして優位に立ち、最後まで米丸さんと樋之口さんの追い上げを許さなかった。投票率は低下したが、得票率は前回の3割強を大きく上回り、1期目の信任は得た形となった。 午後8時早々に「当選確実」の一報。支援者や地方議員らが詰めかけた鹿児島市東千石町の事務所は歓声と拍手に包まれ、熱気は急上昇した。10分ほどして日焼け姿の塩田さんが深々と頭を下げて登場。何度も万歳三唱して喜色を浮かべ、がっちりと握手し支援者をねぎらった。 選挙戦は前回の主力だった草の根と、自民など複数の政党とその友好団体・企業からの支援を「車の両輪」にした。先行が揺るがないまま終盤戦に突入すると政党色は薄めに。同市の繁華街周辺の交差点では朝夕、支援者が数十人規模でつじ立ちして草の根色を前面に出した。
県の新総合体育館計画見直しや子ども医療費拡充、川内原発の20年運転延長の是非などが争点になった。街頭演説では、塩田県政を批判する2人への反論に時間を費やす一方、「鹿児島の課題は人口減少社会でもいかに地域を活性化させるか。稼ぐ力の向上に取り組む」と訴えてきた。 塩田さんは取材で勝因を問われ、「政策の進め方や県民の声を政策に反映してきた」実績と分析。川内原発の運転延長や馬毛島の自衛隊基地建設への容認判断は信任を得たとの認識を示した。2期目も稼ぐ力の向上をキーワードに「農業など基幹産業や中小企業の活性化に力を注ぐ」と誓った。
南日本新聞 | 鹿児島