特攻戦死を追悼、鹿児島・知覧 「命の尊さ、語り継ぐ」
太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった旧日本陸軍特攻隊員の慰霊祭が3日、鹿児島県南九州市の知覧特攻平和観音堂前で営まれ、遺族代表が「命の尊さを語り継いでいく」と誓った。遺族ら630人が参列し、戦死した隊員1036人を追悼した。 遺族代表の桂撤男さん(85)=石川県七尾市=は、15歳離れた兄で大尉の正さんを21歳で亡くした。あいさつで、兄が陸軍士官学校から帰省した際に「日本刀で竹を切って見せてくれたことが、かすかな記憶として残っている」と振り返った。 取材に「慰霊祭に来るたびに空襲や戦争の厳しさを思い出す。兄が亡くなってからも存在を身近に感じている」と話した。