自民総裁選 所見演説と共同会見(全文2)国外に出れば軍隊、それでいいのか
第2に、社会保障の改革であります。そこの中核概念は、いかにして1人1人の幸せを実現するかであります。医療であり、介護であり、年金であり、子育てで、働き方改革、女性活躍。 1つの会議体をつくります。全ての立場の方が参加をする。そこにおいて、あれを言ってはいかん、これを言ってはいかん、そんなタブーは一切排す。不都合なデータも全て開示をする。そしてその会議は全て公開する。それを今やっていかなければなりません。 世界に冠たる医療保険制度は必ずこれを堅持しなければなりません。介護保険も同様であります。しかし医療保険ができたときに対象となるのはなんでしたか。結核に代表される急性期の病気であり、治療すれば治る、そういう病気だったはずです。生活習慣病、いわゆる認知症、それとは趣を異にする。病気になったからお医者さんに掛かれる、体が不自由になったから介護が受けられる、それは守っていかねばならないのですが、いかにして病気にならないか、いかにして要介護にならないか、そういう仕組みを確立をしていかなければなりません。保険の在り方をもう一度見直すことが必要なのであります。介護も同様です。おうちで介護をする。総理が介護離職ゼロとおっしゃいました。それを実現していかなければなりませんが、おうちの中で介護をする、大変なことであります。地域でみんなを支える、そういう社会をつくっていきたいと思っております。結愛ちゃんのような事件を二度と繰り返してはなりません。そのために、保育は福祉、その原点に立ち返り、そのようなものとして整備を進めてまいります。 女性の方が、なぜ働きにくいのか。なぜ社会で活躍できないのか。そこには何か理由があるはずです。議員さんもそうです。働く場所においてもそうです。なぜそうなのかということは、徹底して女性の視点に立って変えていかなければなりません。働き方改革は、働く人の立場に立つべきです。いかにして働く人たち、いろんな力を上げていくか、そのための施策を集中していかなければなりません。これから人口が減る中にあって、働く人たちを大切にし、その能力を最大限に上げていく。そうしなければ所得なんか上がりません。企業の収益も改善しません。人に対する投資、これは喫緊の課題であると私は考えております。 クオリティ・オブ・ライフという考え方があります。人生いかに幸せに過ごすか。私は高齢者対策という言葉があまり好きではない。高齢者って対策の対象なんですか。そうではないでしょう。高齢者は対策の対象なのではない。貧困対策、子供の貧困対策、そういうことにならない社会をつくっていくのは政治の責任だと私は心得ております。 アンダークラスという言葉があります。非正規の人たちを中心とする、年収186万円以下の方、930万人おられるのです。男性の66%は独身です。こういう方々に光を当てていくのは政治の責任ではありませんか。 一人暮らしの高齢者の方、600万人おられるのです。300万人は生活保護以下の収入しか得ておられません。実際に受けておられるのは70万人です。こういう人たち、目に涙をいっぱいためながら政治の助けを待っている。 社会保障、まさしくそのような会議体をつくり、方向性を見いだす。消費税の在り方はその中で見いだされる、私はそのように考えております。 防災省、必要です。専門の官庁が必要です。専任の大臣が必要です。専任のスタッフが必要です。平時からそのことをやっていく体制。1718町村、どこであっても同じ対応がなされなければなりません。その体制を整備するために、防災省は必要だ。それは強大な権限を振るうものではなく、いかにして全国どこにあっても、予想外と、そのような言葉が出ることがない、そういう体制をつくってまいります。