首班指名とは何?解散総選挙後の総理大臣の決め方を解説(結果詳報)
衆議院議員選挙の後には、内閣総理大臣を決める首相(首班)指名選挙を行うことになっています。2024年10月27日投開票の衆院選を受け、11月11日に開会した特別国会では、首班指名選挙を実施して自由民主党の石破茂総理が選出され、続投を決めました。このコラムでは首班指名選挙の方法、総理大臣の決め方を解説します。
首相指名選挙とは
首相(首班)指名選挙とは首相を選ぶ選挙のことで、日本国憲法第67条で「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」と定められています。 衆院選後に初めて召集される国会で内閣が総辞職し、実施されます。衆参両院の記名投票により、過半数の票を得た人が首相に指名されます。 過半数を獲得した議員がいない場合は上位2人による決選投票をして多数決で決めます。衆参両院で異なる結果となったときは両院協議会を開いて話し合い、それでも意見が一致しなければ衆院での議決が優先されます。
30年ぶりの決選投票に
決選投票は1回目と異なり、過半数ではなく多数を得た議員が首相に指名されます。 各議員は、所属政党や、連立政権を組む党の代表者に投票するのが一般的です。自民党であれば総裁が首相候補になるのが通例で、自民が多数を占める国会では、党総裁選が事実上の首相指名選挙になります。しかし、今回の衆院選では自公の議席数が過半数を割れたため、与野党がそれぞれ首班指名に向けて他党との調整を重ねてきました。 今回、衆議院では1回目の選挙で過半数を得る議員がいなかったため、決戦投票にもつれ込みました。決選投票は1994年以来、30年ぶりです。 参議院と衆議院の投票結果は以下の通りです。 【参議院】石破氏を選出 石破茂氏 142票 野田佳彦氏 46票 馬場伸幸氏 18票 玉木雄一郎氏 11票 田村智子氏 11票 山本太郎氏 5票 伊藤孝恵氏(国民民主党) 1票 神谷宗幣氏 1票 末松信介氏 1票 吉良州司氏 1票 茂木敏充氏 1票 白票 1票 【衆議院】石破氏を選出 (1回目) 石破茂氏 221票 野田佳彦氏 151票 馬場伸幸氏 38票 玉木雄一郎氏 28票 山本太郎氏 9票 田村智子氏 8票 吉良州司氏 4票 神谷宗幣氏 3票 河村たかし氏 3票 (決選投票) 石破氏 221票 野田氏 160票 無効票 84票