ジョニー・デップの役者道「自分という道具箱を持って仕事場へ」【オンラインインタビュー】
米俳優のジョニー・デップが、全編でフランス語のせりふに挑んだ映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』が2日から全国公開されている。ORICON NEWSでは1月下旬にオンラインでジョニー・デップにインタビューを実施した。 【動画】ジョニー・デップにオンラインインタビュー 本作のタイトルロールであるジャンヌ・デュ・バリーは、池田理代子の不朽の名作漫画『ベルサイユのばら』にも登場する実在の人物。18世紀のフランスで、59年間の長きにわたり国王に在位したルイ15世の最後の公妾としてその名を残した。類い稀な美貌と知性、奔放な性格によって、娼婦の身分から社交界に進出し、ルイ15世を一瞬で魅了した彼女は、ヴェルサイユ宮殿を牛耳っていたとも言われ、さまざまなスキャンダラスな事件、マリー・アントワネットとの確執なども伝わっている。 庶民から国王の公妾への階段を駆け上がったジャンヌ。そのプロセスは戦略的でありつつ、本能に従った結果でもあった。国を揺るがすほどの大胆なラブストーリー、人間関係を経験しながら、彼女は何を求め続けたのか。 ジャンヌ役で主演を務めたのは、本作の立案者で監督を務めたマイウェン。絶世の美男とも伝わるルイ15世をジョニー・デップが演じた。 ――アメリカ人であるデップさんにフランス国王ルイ15世役のオファー。あまりにも突拍子もないオファーで逆に興味が湧いたそうですね。 【JD】その通りです。フランス出身の監督が米ケンタッキー州生まれの私に、フランス国王・ルイ15世役のオファーが来るなんて、驚きでした。そんなことを思いついた彼女に興味が湧きました。それで、私は彼女と会ってみようと思いました。才能にあふれた監督だと思いました。初めて会ったばかりでしたが、私たちはすぐに意気投合しました。しかし、ルイ15世役はフランスの俳優をキャスティングした方がいいのではないか、と彼女に言いました。 彼女はフランスの俳優を起用しようと思ったこともあったけれど、どういうわけか、私とルイ15世の間に通じる何かがあると感じたようなんです。それで、私が引き受けることにしたのは、何でも挑戦してみるべきだと思ったからです。挑戦は必要です。成長するチャンスになる。失敗するかもしれないけど(笑)。それでも私にとって魅力的だったのは、ルイ15世という人物そのものです。 彼だけでなく、どの君主もそうだと思うけど、王になるために、おそらく12歳くらいから非常に多くのスキルを見つけなければならなかったと思います。宮廷のさまざまなしきたりに従って、最初から決められた人生を生きなければならなかった。閣議に出席している時と自分の娘たちの前とでは違う言葉づかいをしていたでしょう。しかし、ジャンヌと一緒にいる時だけは人間らしい時間を過ごすことができた。 そんな彼の人生は興味深いものがあります。国王の生活は裕福で、贅沢で、欲しいものは何でも手に入ると思っているかもしまれませんが、私は王になりたいかといったら、責任が非常に重い仕事なのでなんとも言えませんが、ルイ15世は疲れ切っていたと思います。ノーマルな人間ではいられなかったと思います。