HIMEHINA「愛包ダンスホール」 バイラルチャートイン MMDによるダンス動画が話題に
HIMEHINA「愛包ダンスホール」、MMD動画を中心に話題に
「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」と同じように動画投稿サイトを中心に話題を集めているのが、今回6位にランクインしているHIMEHINA「愛包ダンスホール」 だ。 HIMEHINAは田中ヒメと鈴木ヒナの2人からなるバーチャルYouTuberユニットで、これまでYouTubeチャンネルを中心に活動を続けてきた。2024年1月時点ですでにチャンネル登録数が80万人を超えているHIMEHINAが、昨年末に14枚目のシングルとしてリリースしたのが「愛包ダンスホール」 である。トランシーなシンセサウンドとファンキーなベースラインが印象的なこの楽曲。目まぐるしく展開していくカラフルなビートから感じるのは、ダンスホールで踊り明かした一晩の記憶を一瞬にして走馬灯のように駆け抜けたような感覚だ。また、一見すると支離滅裂に感じるタイトルや歌詞も読み解いていくと一貫した壮大なテーマが見えてくる。例えば〈3.1415926535のπだって 割り切れない気持ち抱えてるよ〉といったフレーズからも読み取ることができるように、楽曲タイトルの「愛包(あいぱい)」とは、愛と円周率のπ(パイ)をかけた造語であることがわかってくる。愛の「永遠性」や「割り切れなさ」の象徴としてπが掲げられているのだ。そんな哲学的なテーマをアイドルソングに落とし込んだそこ知れなさに驚かされながら、タイトルであり、この楽曲のもうひとつのテーマにもなっている「ダンス」の文脈で読み解けば、抜き差しをしながらループしていくダンスミュージックが醸し出す永遠性にもπがリンクしてくることがわかる。 そして、今注目を集めているのが、この楽曲のMVでHIMEHINAによって披露されている「愛包ダンス」である。290万再生を超える本家のMVもさることながら、MikuMikuDance(以下、MMD)と呼ばれる3Dモデリングしたキャラクターでアニメーションを制作できるソフトを利用し、さまざまなキャラクターに「愛包ダンス」をカバーさせる動画がニコニコ動画やYouTube、TikTokで流行しているようだ。このMMDによる「愛包ダンス」動画から原曲を知ったというリスナーも少なくなく、今回のランクインにも大きな影響を与えている。これまでのバイラルチャートの傾向を振り返ると「歌ってみた動画」や「踊ってみた動画」が楽曲の知名度を高めるきっかけとなったケースは少なくないが、MMDによる「踊ってみた動画」が起点となったことはこれまであまり多くなかったように思う。そういう意味では、新たなヒットの法則を生み出したのが、HIMEHINAの「愛包ダンスホール」なのかもしれない。 ※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-01-10
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