北九州市議選挙、逆風に危機感の自民党と党勢拡大狙う野党…定数57に対し95人立候補の構えで混戦か
衆院選後初の政令市議選となる北九州市議選(26日投開票)が17日告示される。8日現在、定数57に対して95人が立候補の構えを見せており、7区制となって最多だった1977年と2001年の87人を上回る見込み。自民党が党への逆風に危機感を募らせる一方、野党は夏の参院選の前哨戦と位置づけて党勢拡大を狙う中、現職とほぼ同数の新人が出馬を予定し、混戦が予想される。 【表】党派別立候補予定者数
自民現職、事務所の看板に党名なし
「これまでは自民党と言うだけで票につながったが、今は堂々と言いにくい」。今月初旬、ベテランの自民現職が市内の後援会事務所でため息をついた。事務所の看板に党名はなかった。
昨年10月の衆院選で自民大敗の要因となった「政治とカネ」問題への風当たりは根強く、支援者から「大丈夫か」と心配されるという。自民市議として呼ばれる集会などを除き、党名は出さずに個人の実績を訴えて支援を求める。
コロナ禍で行われた前回選で自民から22人が立候補。政府のコロナ対策への批判などもあり、現職6人が落選した。今回は18人を擁立するが、立候補予定者からは「高齢化などで支援組織が弱体化する中、厳しい戦いだ」との声が上がる。
野党側「参院選への弾みに」
一方、野党側は参院選への弾みにしようと攻勢を強めている。
衆院選で躍進した国民民主党は、今回の市議選で党として初めて2人を公認する。「街頭に立っている時の反応が明らかに良くなった」。立候補予定者の一人はそう手応えを口にする。党ののぼり旗のそばで街頭に立っても反応は薄かったが、衆院選以降、手を上げたり声をかけてくれたりする人が増えたという。
立憲民主党は9人を擁立する。今月10、11日には野田代表が各陣営を回ったり、街頭演説をしたりする予定だ。立民県連幹部は「参院選で党勢を拡大するために、地方選での議席積み上げが重要になる。全員が当選すれば参院選にも勢いがつく」と話す。
前回選の2倍となる8人を公認する日本維新の会も、衆院選で政治資金収支報告書の不記載があった自民の元総務相を破った村上智信氏(福岡11区)らを応援に投入するという。