同性同士も“いいふうふ”に…パートナーシップ制度で認められた男性カップル 踏み出した平等への第一歩
パートナーシップ制度認定前の2人も、不安に駆られたことがある。 ある時、中村さんが深夜になっても帰宅せず、LINEの既読もつかずに連絡がとれない時があった。谷村さんは「死んだと思った」という。 谷村祐樹さん: 「12時すぎてもLINEに既読がつかなくて、どこ行っちゃったんだろうなと思って。帰ってきたら、『同僚とすごい話込んじゃっていた』みたいなことを言ってて。連絡くれればいいのにと思ったことあります」 中村文亮さん: 「『死んだかと思った』と言ってた」 “帰りが遅い”ということだけにみえるが、「家族」として認められていないことが、「もしかしたら」という不安を膨らませていたという。
法を巡る判断は分かれている。2023年11月現在、同性カップルが全国5カ所で起こした集団訴訟の1審判決では、「憲法違反」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件だ。
このうち、憲法違反とした名古屋地裁の判決では、「同性愛者を婚姻制度から排除することで大きな格差を生じさせ、何ら手当てがなされておらず、もはや無視できない状況」だと、強い言葉で指摘した。
ただ、同性愛への理解は進んでも、法律で「同性婚」が認められたわけではない。
■パートナー制度が破ってくれた「自分の中の壁」
2人は、“同じ性別の人を好きになった”だけで、悩み続けてきた。 谷村祐樹さん: 「僕らはそもそも結婚したくてもできないので、選択肢がそもそも与えられていない状態の中で生きているので。結婚することもできるっていう選択肢があるだけで、基本的な人権をやっと尊重してもらえる立場になれる。『ホモ』とか『おかま』とか、悪口を言われて、笑われる対象になっているのをすごく見てきたので、この世にいてはいけない人間なんじゃないかと悩んだこともすごいあった。『これは言ってはいけないことなんだ』とずっと思って生きてきた」
周囲の同性愛者への偏見を恐れ、当事者である自分を隠す日々。しかし、パートナーシップ宣誓を機にカミングアウトしたことで、意外な反応を目の当たりにした。 フェイスブックなどにSNSに寄せられた、好意的な反響だ。