親から引き継いだ自分名義の土地が売れました。夫の扶養に入っているのですが、扶養から外れるのでしょうか?
扶養といっても、扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があります。そして、それぞれに要件が異なります。本記事では、扶養に入るそれぞれの要件を確認し、親から引き継いだ自分名義の土地が売れた場合に、それぞれの扶養から外れるのか、外れないのかを解説します。
税法上の扶養とその要件
税法上の扶養とは、家計を支える納税者の配偶者、子どもなど所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に、納税者の所得から一定の金額を控除する制度です。以下、その控除対象扶養親族となる要件について、詳しく見ていきます。 <扶養親族の要件> 原則として、次の要件のすべてに当てはまる人が扶養親族となります。 (1)納税者と以下の関係である人 ・配偶者 ・親族(6親等内の血族および3親等内の姻族) ・6親等内の血族および3親等内の姻族(里子も含む) ・市町村長から養護を委託された70歳以上の高齢者 (2)納税者と生計を一にしている人 (3)年間の合計所得金額が48万円以下で、給与のみの場合は給与収入が103万円以下である人 (4)青色申告者の事業専従者として、1年間に一度も給与を受け取っていない、または白色申告者の事業専従者でない人
社会保険上の扶養とその要件
社会保険上の扶養とは、家計を主に支える人が加入する社会保険(健康保険・厚生年金)の被扶養者になることです。社会保険上の扶養に入れば、被扶養者は扶養者と同じ社会保険に加入することとなり、被扶養者は自分で扶養者の社会保険料を納める必要がなくなります。 この社会保険上の扶養となるには、以下のすべての要件を満たす必要があります。 1. 被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主に被保険者に生計を維持されている人。ただし、被保険者と同居していなくても良い 2. 被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人(「同一の世帯」とは、同居している、かつ家計をともにしている状態をいう)。ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除く (1) 被保険者の三親等以内の親族(1に該当する人を除く) (2) 被保険者の配偶者で、戸籍上は婚姻の届け出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子 (3) (2)の配偶者が亡くなった後における父母および子 3.年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上、または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合 (なお、認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるときは、被扶養者となる場合がある) (出典:全国健康保険協会「被扶養者とは?」)