後輩学生の一途な恋…ではなかった!距離感がバグッた「勘違い男子」の盲目的視点が明らかに【漫画家の声】
理系大学・大学院の実情を描く理系女ちゃん(@rikejo_chan)の「先輩は綺麗な人だった」は、男性と女性2つの視点を描くことで「好意を寄せる側」と「寄せられる側」の認識の違いを描く。前半は先輩に恋する後輩の淡い恋心だが、後半で先輩の視点に変わるとその恋心は「恐怖」に変換されていく。一方的に好意を寄せられた先輩視点のラスト、あきらめられない呟きが波紋を呼び、Xで万バズの反響を集めている。 【漫画】本編を読む ■好意を寄せる側、寄せられる側、視点を変えてみると違いに驚愕!! 自分の感情だけで一方的に恋心を走らせてしまった後輩は、先輩の恐怖心に気づくことができなかった。「好意」を送る側と送られる側の温度差を描いた本作について、著者の理系女ちゃんに話を聞いた。 「理系」な話をコンセプトに描こうと思った理由について、著者の理系女ちゃんは「理系学生の割合は大学進学者のうち35%(令和2年度推計)で、そこから大学院へ進学したりアカデミアに残る人はもっと少なくなります。理系に対する解像度が少しでも高くなれば、もっと理系に興味を持つ人が増えたり、現在アカデミアが抱える課題を解決できるのではないか」と話してくれた。 また「あくまでも男女それぞれの視点を描くことにこだわりました。人と人の関係は、誰かの視点が介入する以上主観を欠くことは難しいので、本作品はナレーションを入れていません」と本作のこだわりについても教えてくれた。 実際、理系大学院へ進学すると、研究で忙殺される人もいて、外の人との関わりが減るので、所属する大学院や研究室の慣習を自身の常識に据えてしまう人も少なくないそう。実際漫画を描くと、異なる所属や分野の方から厳しいコメントをいただくこともあると明かす。 今後は「理系大学・大学院に関する作品を、いろんな角度から描いていきたいです。理系大学・大学院での生活やアカデミア内の問題に関わる話を投稿していきます」と語った。 後輩視点から見る先輩は「美人」で「かわいい」印象。恋をしていることで、世界が美化されているように描かれているのも特徴だ。相手をどういう位置づけで見ているかで、内容がガラリと違う本作。ラストの「あきらめきれない」呟きを見た先輩の反応にも注目してほしい。 取材協力:理系女ちゃん(@rikejo_chan)