坂東龍汰の芝居の巧さが際立つ…岡山天音の登場で波乱の予感…? ドラマ『ライオンの隠れ家』第2話考察
ライオンの本名は「愁人」?
無事に合流できた3人。美路人の顔にも安堵の色が浮かんでいるようだった。自閉スペクトラムを抱える青年として、細かな動き、発声など細部までこだわった表現をしているが、それに加えてこのような感情をしっかりとのせてくるあたり、坂東龍汰の巧さが際立つ。 家に帰り、寅吉(でんでん)が切ってくれたすいかを食べる姿が微笑ましい。しかし、後日、事態は急展開を迎える。洸人が流していたテレビから「橘愛生」に関するニュースが流れる。愛生という珍しい漢字に、これは姉なのでは、と疑う洸人。 さらにニュースは、息子の愁人も行方不明であることを告げる。もしやと思った洸人が、走り回るライオンに「愁人」と呼びかけると、ライオンは返事をし、その後一切の感情をなくしたかのような顔になる。 やはり、ライオン=愁人は洸人たちの異母姉弟である愛生の息子なのだろうか。そうであるならば、愛生はなぜ洸人たちに息子を託したのだろう。 かつての愛生は奔放そうな性格であるから、単純に育児放棄かもしれない…と思っていたが、「ソフトクリームの広場」でソフトクリームを落とした美路人に、周囲の目線を気にして助けられずにいた洸人に代わって、すぐに駆け寄っていた。人は変わる。だとしても、そんな愛生が自らの子どもに手を上げたとは考えたくない。 愁人の父親からDVを受け、そこから逃れるために洸人を頼ったという可能性も考えられる。それならば名前を隠しておくことも合点はいくが、では、肝心の愛生は一体どこへ消えてしまったのか。
X(岡山天音)の正体は?
鍵となるのは、今回本格的に姿を現した洸人とメッセージを交わす相手=X(岡山天音)だろう。「ソフトクリームの広場」「最後の堤防」を知っていることから、Xが愛生とつながりがあることはまず間違いない。最初は姿を隠す愛生の代わりに行動しているのかと思ったが、Xは数えきれないくらいたくさんのスマートフォンを所有していた。探偵か、詐欺師か…いずれにしても、一般人とは考えにくい。 しかも、愛生たちの失踪事件に興味を持つ者として、工藤(桜井ユキ)と天音(尾崎匠海)という週刊誌の記者も絡みはじめる。2人の耳には、地元の政治家がリニアに関する地上げで儲けを出しているという話も。 橘愛生の夫である祥吾が勤務しているのは「たちばな都市建設」だ。山梨県警の刑事・高田(柿澤勇人)が、愛生の情報を聞きにやって来た祥吾をいつも黙って見つめているあたり、祥吾にもなにか目を付けられるだけの怪しい部分があるのかもしれない。 美路人の心中以上に、愛生まわりの状況が穏やかではなさそうだ。一体、彼女は何に巻き込まれているのか。まだまだ事態の全貌が掴めないなか、Xが接触していた洸人の同僚・牧村(齋藤飛鳥)の安否など、気になるポイントが山積みだ。次回の放送が待ち遠しい。 【著者プロフィール:あまのさき】 アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
あまのさき