中国、日本人男児刺殺など2事件の容疑者らを起訴 動機説明なく
中国江蘇省蘇州市で今年6月、日本人母子らが切りつけられた事件と、広東省深圳市で9月に日本人学校の男子児童が刺殺された事件で、地元当局がそれぞれ拘束していた容疑者の中国人男性を起訴していたことが27日、判明した。日中関係筋が明らかにした。 地元当局から日本側にそれぞれ通知があったが、罪名や起訴内容、動機などの説明はなかったという。 日本政府は両事件について説明を求めているが、中国側はいずれも「偶発的な事件」と繰り返すのみで、具体的な犯行動機や背景を公表していない。 蘇州市の事件は6月24日、日本人学校のスクールバスの停留所で発生。出迎えのためバス停にいた日本人の母親と未就学児が50代男性に刃物で襲われ負傷。男性を制止しようとして刺されたバス案内係の中国人女性(54)が死亡した。 深圳市では9月18日、日本人学校の男子児童(10)が登校中に40代男性に刃物で刺され、翌日に死亡。同日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年という反日感情の高まりやすい日だったこともあり、現地の日本人の間で安全に関する懸念が広がっている。【北京・岡崎英遠】