F1王者アロンソの「理想の1台」 V12で6速MT、英アストン マーティン・ヴァリアント誕生秘話インタビュー
クルマへの愛情
――どんな人がこのクルマを買うのか、話せることはありますか? 「特にないかな。メッセージはいくつか見たよ。非常にコレクション性の高いクルマで、高い価値を保ち続けるだろうね。何人かの友人からメッセージをもらったけど、クルマはすべて割り当てられていると思う」 ――あなたは注文したんですよね。違いますか? 「まだだけど、ヴァンテージGT3は持っているよ。昔のクラス1のDTMも持っている。(できれば)7月29日の僕の誕生日に間に合うようにヴァルキリーを納車してもらいたいね。あとDB5も探しているんだ」 「ヘリテージ・チームと連絡を取り合っているんだけど、ちょっとしたコレクションを作るのが楽しみなんだ。アストン マーティンはコレクターズカーや高価値で知られているし、僕も持ちたい」 ――アストン マーティンに惚れ込んだ? 「そうだね、今はのめり込んでいるよ。以前からファンだったけれど、最近の製品を見ていると、これまでよりステップアップしていると思う。僕が過去に働いていた高級車ブランドのいくつかは、方向性を変えたり数字を追いかけたりしているけれど、アストンはまだ非常にエクスクルーシブなんだ」 「アストンは顧客を大切にしているブランドの1つだと思うし、僕もそうした価値観に共感している」 「この性能でこの台数のクルマを買うとき、37台のうちの1台であれ、1000台のうちの1台であれ、ワンオフとして扱われたいと思うものだよ」 ――パドックでは、どのクルマに割り当てられるかで競争しているのでしょうか? 「そうでもないけれど、他の人たちのガレージに何があるかはみんな知っているよ。レトロスタイルのクルマ、オールドスクールなクルマを集めようとする人が増えている。V12でマニュアルシフトのヴァリアントもそうだ。新型車であっても、ちょっとレトロな感じがする。そして、ある意味ではみんなヴァルキリーが大好きなんだ。マックス(・フェルスタッペン)も持っている」 「でも、みんなクルマが大好きなんだ。僕たちはクルマに熱狂していて、2週間に1度は世界最高のクルマに乗っているけれど、普段の生活でもパワフルなクルマに乗りたいんだ」 ――ヴァルキリーのアロンソ仕様は? 「クーペで、F1カラーにしたよ。F1に一番近いものを持ちたかった。2週間ごとにアストンに乗っているから、ヴァルキリーも同じようにライムのテイストを加えたクルマにしたかった」 ――DB5は? 「シルバーグレーが欲しいけど、選択肢の中にはブルーやグリーンもあるから検討してみるよ。でも、完全にオリジナルさ」
マット・プライヤー(執筆) 林汰久也(翻訳)