「復興支援事業見直し検討」の政府レビューに福島県内市長から反発の声 知事、国に緊急要望へ
福島県市長会議は19日に福島市で開かれた。政府の行政事業レビューで一部の復興支援事業について第2期復興・創生期間後の見直しを検討すべきとの取りまとめが出されたことを受け、市長からは「国の責任放棄ではないか」「風評払しょくなどさまざまな面で事業は必要だ」と反発の声や事業継続を求める意見が上がった。出席した内堀雅雄知事は26日にも関係省庁に対する緊急要望活動を行う方針を示した。 南相馬市の門馬和夫市長は福島第1原発の廃炉完了の見通しが立たないなど復興が道半ばの中、福島再生加速化交付金の見直しが提案されたことに触れ「ショックというより怒りさえ覚えた」と不快感をあらわにした。避難指示区域が設定された市町村や浜通りの自治体などさまざまな枠組みで、国に事業の継続を要望するべきと提案した。 伊達市の須田博行長は、農産物の価格面で原発事故の風評の影響が残るとして「福島の状況を分かっていない」と批判した。須賀川市の大寺正晃市長は「まだ地域の魅力向上などの事業で交付金を必要としている」と現状を訴えた。
内堀知事は関係閣僚に直接、市長たちの思いを伝える考えを述べ、「全県的な問題が継続している以上、財源は確保しなくてはいけない。国と対峙(たいじ)しながら訴えていきたい」と述べた。