福井商・谷田月波輝主将「『勝つために』と気持ち一つにやってきた」…優勝候補の大津と29日初戦
全国高校サッカー選手権に17大会ぶり2度目の出場となる福井県代表の福井商は29日、1回戦で大津(熊本)と対戦する。28日は国立競技場での開会式後、千葉県内で約1時間ほど汗を流して最終調整を行った。 相手の大津は、高円宮杯U―18プレミアリーグの東西王者が日本一を争うファイナルを制した優勝候補の一角。いきなり強豪を引き当てた主将・谷田月波輝(つばき)は「(チームメートの)みんなにも『何してんや!』と言われた。びっくり。まさかって感じでした。すごいところ引いちゃったなという感じ」と当時の心境を振り返るが、「(今は)ポジティブに捉えている。めったにない機会。楽しみな気持ちと、どれだけできるのかワクワクしている。全員『大津に勝つために』と気持ち一つにやってきた。あとは明日思いっきりやりたい」と意気込んだ。 県予選では、6連覇中の「絶対王者」丸岡を破って、夢舞台への切符を手に入れた。試合は2―0とリードするも同点とされ、後半32分に勝ち越しを許す厳しい展開。だが、後半アディショナルタイム、同点に追いつく劇的展開から、最後はPK戦を4―2で制した。谷田主将は「今年はスーパーな選手がいるわけではないので、一人ひとりがチームのために何ができるのか考えてやってきた。連係や、声、走りで助け合うところはいいチーム」と胸を張る。築き上げてきたチームワークで強敵に立ち向かう。 福井商は、県立校でありながら県内ではスポーツ校として知られる。野球部は選抜大会で1978年大会準優勝など、春夏通算39度出場。2023年WBCを制したヤクルト所属の中村悠平などプロ野球選手も輩出した。また「JETS」ことチアリーダー部は全米制覇を成し遂げ、俳優の広瀬すず主演で映画化、土屋太鳳主演でドラマ化された「チア☆ダン」のモデルとなったことで有名。その他、卓球、バレーボール、バスケットボール、ハンドボールなど、様々な部活動が全国出場経験がある。サッカー部は今回17大会ぶりの出場で、ここからが新たな歴史の第一歩。谷田は「(今後は)連続で出場して福井のサッカーと言えば福井商となっていってほしい」と、後輩たちへ思いを託す。 チームを率いて10年目になる高木謙治監督にとっては、自らが指揮を執るチームの出場は初。「17年ぶりに出た全国の機会で、本当に強いところとやらせてもらえることは光栄。どこまで通用するか試してみたい。ここまでチャレンジしてきたこの1か月が楽しかったし、選手の変化も見られている。ぶつけたいなと思う」と言葉に力を込めた。(小林 玲花)
報知新聞社