【日本代表】日本戦のピッチは横幅が3メートル短い? 中国の対策か、それともスタジアムの事情か…町田浩樹「実際にピッチに立つと短いとは感じました」
日本代表は18日、翌日に控えた北中米ワールドカップ・アジア最終予選の中国戦に向けて、会場となる廈門白鷺スタジアムで練習を行った。芝の深さなどピッチ状態も確認していたが、ピッチのサイズに「違和感」を覚えた。中国戦は『環境』への適応もポイントになりそうだ。 【動画】日本代表、中国戦へ向けた前日練習の模様
「相手が守備の時にスライドしやすいのはあると思う」
前回対戦で0-7と大差をつけられて敗れた中国は、今回の日本との再戦に並々ならぬ思いを持って臨むに違いない。日本に敗れたあともサウジアラビア、オーストラリアに屈して3連敗。最終予選は最悪のスタートとなったが、そこから立ち直り、ホームでインドネシアに競り勝ち、前節はアウェーでバーレーンを下して2連勝。 前日会見に臨んだ森保一監督も「前回の対戦で中国には勝つことができたが、結果に関しては一度忘れて、また0-0から試合が始まるという気持ちで挑まなければいけない。アウェーの戦いで、中国は2連勝と好調。我々がしっかり相手のことを分析した中で自分たちの良さを出せるように、そして試合の中で勝ち点3をつかみ取るチャレンジをする気持ちで臨まなければならない」と、簡単な試合にはならないと気を引き締めていた。 会見に続いて行われた練習は冒頭15分のみ公開だったが、一つ気になることがあった。それはピッチの横幅について、だ。通常よりも『短い』印象を受けたのだ。 関係者に確認したところ、真偽は不明であるものの、練習で使用したピッチの横幅はやはり通常の68メートルよりも短く感じたという。国際サッカー連盟(FIFA)はタッチライン(=縦)105メートル✕ゴールライン(=横)68メートルの規格を推奨しており、これが標準とされている。ただ国際試合では縦100メートル~110メートル、幅64メートル~75メートルとある程度の『差』を認められている。事実、スタジアムの形状により、FIFAの推奨規格よりも短かいケースはある。 前日練習を終えた町田浩樹に聞いた。ピッチの横幅の印象はどうだったのか? そしてその場合に、プレーにはどんな影響が出るのか。 「(短いと感じた?)そうですね。その感覚はあって、3メートルくらい短い印象もあって。ピッチに出てみると、それは感じましたね。(影響?)日本がサイド攻撃を展開した時で言えば、相手は守備のスライドがしやすいと思う。ただそれでも僕らにはやっぱり幅を使って相手の守備陣形を広げる作業が必要だし、そこはやってみてという感じになる。サイドを使うから中が空くわけで、やり続けないといけないなとは思っています」 実際にどのくらい短いのかについては、関係者に当たっても明確にはわからなかった。ただ通常の横幅よりも短いと感じる選手がいたのは紛れもない事実だ。思い返せば、2017年3月23日の最終予選、UAE戦の試合会場となったアルアインのハッザビン・ザーイドスタジアムでも同様に「ピッチが狭い」と感じた選手が多く、公式練習後には何人もが指摘していた。 仮に、そのことで中国戦でサイドへの展開が難しく、それに伴って中を締められて縦パスも通せない状況に直面したら、日本にはどんな攻め手があるのか。 町田は言った。 「前回のインドネシア戦で僕から直接に小川(航基)に出したパスとか、ああいうのでやっぱり相手のラインも下がるし、そういうのをやり続けて、相手が下がったり広がったしたところで、できることがあるはずなので。中国戦はとにかくやり続けることが大事なゲームになると思います」 横幅の縮小が意図的なものなのか、はたまたスタジアム事情からなのかはわからないが、幅68メートルでプレーすることに慣れている選手が多い日本にとって、歓迎すべき状況ではないのは確かだろう。ただ、どんな状況にも対応し、相手を上回っていくのが現在のチームのコンセプト。そのための準備をこれまで愚直に続けてきた。 中国戦は、日本が磨いてきた対応力が問われる試合になるかもしれない。 ちなみに前述のUAE戦、日本は狭いピッチで躍動し、敵地で2-0と快勝している。 取材◎佐藤景(現地)
サッカーマガジンWeb編集部