往年のファン別れ惜しみ長蛇の列 福島市の模型の新光堂 12日歴史に幕
長年にわたり地域に親しまれてきた福島県福島市の「模型の新光堂」は12日の閉店まであとわずかとなった10日、店舗に往年のファンが詰めかけ、別れを惜しんだ。 昼前から模型ファンや常連客が店前に長い列を作った。所狭しと商品が並ぶ店内でお気に入りの品を選んだり、店舗前で記念撮影をしたりする姿が見られた。夕方まで客足は途絶えず、6月に92歳で死去した店主高野弘さんの長女高橋純子さん(63)、孫の雄哉さん(35)と山口夏美さん(30)の3人が休みなく接客に当たった。 友人と共に月1度程度来店していた桑折町の醸芳中1年の佐藤恵仁(けいと)さん(12)は戦車のプラモデルを購入した。「高野さんはいつも優しく、丁寧に対応してくれた」と故人をしのんだ。一緒に訪れた父正喜さん(52)も高校時代に通っており、「閉店はとても残念」と話した。 新光堂は終戦後にスズラン通り(現パセオ通り)で開業し、当初は空き缶や銅線で作った模型を販売していた。昭和30年代初めに市内新町にある現在の場所に移った。弘さんの死後、純子さんが土日に店を開けてきたが、12日に閉店する。
12日までの営業時間は午前11時から午後5時まで。