約60万円の「Apple Vision Pro」が日本でも発売! 買うかどうか迷っている人に知っておいてほしいこと
「情報端末」「コンテンツプレーヤー」としても便利
「情報端末」としてのApple Vision Proは、既に多くのレビュー記事が出回っている。先に紹介した通り、筆者もPC USERで英語版のままレビューをした。その際に感じたことでもあるが、本機は「映像視聴端末」としても素晴らしい出来だ。 先のレポートからアップデートがあった点としては、Webブラウザ(Safari)を通して「Netflix」を開いた際に、4K(3840×2160ピクセル)での動画再生が可能となった点がある(余談だが、Metaの「Quest 3」でも同様にNetflixの4K動画を再生できるようになった)。 完全な遮光環境で外光に影響を受けずに楽しめる4K/HDRの映像作品は、どれも素晴らしい画質だ。3D映画の表現も、(対応製品がほとんどなくなったが)プロジェクターやTVと比べても格段の品質で楽しめる。Apple Vision Proで改めて3D映画を楽しんでみると、新たな発見があるはずだ。 「Apple TV+」では、Red Bullとのエクストリームスポーツシリーズ、「The Weeknd」、アリシア・キーズなど音楽アーティストのコンテンツ、アカデミー賞受賞監督撮影による180度立体視の短編映画「Submerged」など、180度パノラマの高精細映像作品が複数楽しめる。いずれも極めて正確なヘッドトラッキングを伴う立体音響が組み合わされており、臨場感がある。今後も、新作がリリースされるという。 またAppleは、Apple Vision Proの高精細表示を生かすべく、8Kパノラマ動画専用のエンコーダーを用意している。このエンコーダーはBlackMagic Designの「DaVinci Resolve」などで利用可能で、高精細なパノラマ映像の制作を高品位に行えるワークフローの整備にも熱心だ。 visionOS 2では、Macの仮想ディスプレイとして利用する連携機能について、2024年末までに「超ワイドスクリーンモード」が追加される。現在は最大で「4Kディスプレイ」を1枚投影できるが、アップデート後は横方向に2倍の解像度を持つ超ワイドスクリーンを、空間中にカーブディスプレイとして再現できるようになる。 ちなみに、visionOS 2では、「環境」モードで周囲の視界を遮断して作業したい場合に、ワイヤレスキーボードを接続しているMacのキーボード部分を自動的に識別し、その部分だけ“実態映像”として見せることで使いやすくする機能も追加されている。 加えて、このバージョンでは2Dの写真をタップするだけで簡単に3D写真を作成できる機能も提供される。機械学習を使用して左右の視点を生成し、自然な奥行きを持つ空間写真に変換するというものだ。「写真」アプリでは、Apple Vision Pro用向けに新しい「SharePlay」が導入され、デジタルペルソナを使って離れた場所にいるApple Vision Proユーザーとまるで同じ場所に存在しているかのようにパノラマ写真や空間写真、空間動画をを楽めるようになる。 操作性の面でも、手のひらを見つめるとホームボタンを示すアイコンが表示され、軽くタップするだけでホームビューを開いたり、そのまま手のひらを返すと時間とバッテリー残量を確認できたり。そこでタップするとコントロールセンターを呼び出せたり……という新しい操作方法も加わる。