駅構内で女性“物色”? ひと気のない路上で突然「抱きつく」犯行… 元モデル男性は初公判で “わいせつ目的” 否認
「わいせつ目的ではなかった」弁護側の主張
これに対し弁護側は、いずれの事件も「ナンパ目的」で近づいたとして、わいせつ行為が目的だとする検察側の主張を否定。 さらに③の事件については、被告がCさんの陰部付近をなでまわしたり、臀部に故意に触れた事実はないとして公訴事実を否認した。その上でバランスを崩したCさんを介抱しようとした際に臀部に触れてしまったと主張した。 ②③の事件で被害者にケガを負わせたことについても認めたが、②の事件では前向きにバランスを崩した女性が転ぶのを防ごうとコートを引っ張ったが倒れてしまったと説明。 また、いずれの事件でも、肩に手を回し抱きつく際に「お姉さん」と声をかけたといい、口をふさいだのは大きな声を出されたことへの反応でありわいせつ行為を目的としたものではないとも主張した。
三軒茶屋駅で女性を“物色”していたか
三軒茶屋駅構内から追尾を開始した①の事件では、Aさんを発見する前から被告が駅構内にいた様子が防犯カメラに写されていた。 さらに事件を起こした後、被告が走って駅に戻ってくる様子も防犯カメラには残されていたといい、その後も構内で“物色”を続けたのか、検察官によれば、事件同日にさらに2人の女性の後を追いかけていたようだ。 被告がAさんを発見し追尾を始めたのは23時頃。15分後に住宅街で事件を起こし、再び駅に戻ってきた被告が“最終的”に駅を離れたのは午前0時半頃だった。 日常的に三軒茶屋駅を利用する30代女性は、「駅周辺に飲食店が多いので、飲んで歩いて帰るという人も多いです。駅周辺は人も多いし、治安も良い。でもにぎやかな駅周辺と違い、一歩住宅街に入れば閑静で人通りも少ないです。そういう場所に女性が帰るのを狙っていたのかもしれません」と被告が“土地勘”を利用し犯行を行った可能性を指摘する。 被告は元モデルで恋愛リアリティー番組や『SASUKE』などへの出演経験もある。細見で目鼻立ちがくっきりとした、いわゆる“イケメン”の部類といえるだろう。スポーツマンでもあり、さらに実家は資産家だという。 “ナンパ”をせずとも交際相手には困らなかったように思われる被告が、なぜ「ひと気のない場所で女性に背後から突然抱きつく」などという愚行に及んだのか。今後の裁判が注目される。
弁護士JP編集部