選を果たし万歳三唱する（左から）吉川参議、一見知事、宮木会長、田村氏、圭子さん、前葉津市長、竹上市長 ＝津市博多町の事務所で

　第50回衆院選は27日投開票され、松阪市と津市からなる三重県1区は自民党の元厚生労働大臣の前職・田村憲久氏（59）が10万7926票を獲得し、新人2人を退け10選を果たした。立憲民主党の党県連副代表で元㈱電通社員の新人・福森和歌子氏（54）は、同区で敗れたものの比例代表東海ブロックで復活当選し、県内初の女性衆院議員になる。共産党の党県書記長の新人・出口洋介氏（35）は1万5千票余りを獲得した。

三重1区の得票数など

　選挙戦で田村氏は「政治とカネ問題」などで党にかつてない逆風が吹く中、地域を回りながら街頭演説や集会を重ねた。高齢化がピークを迎える2040年を見据えたAIや、ロボットなどのデジタルテクノロジーを活用した技術革新などを訴え、自民、公明支持者を中心に支持を固め、松阪、津両市で新人2人に力を示した。 　福森氏は選挙期間中、福祉の充実や働きやすい環境づくり、ジェンダー平等などを訴えた。立民や女性層から幅広い支持を受け、終盤、自民党非公認候補が代表を務める政党支部に2千万円を支給したなどと報じられたことで追い上げをみせ小選挙区で6万3770票を獲得。惜敗率0.59％で比例代表に望みを懸け、東海ブロックで立民が得た最後の6議席目で初当選を手にした。 　県内選挙区で最年少候補の出口氏は、政治とカネ問題で自民党を批判しながら、若い世代の働き方改革や子育て世代への支援などを訴え、党員や若年層を中心に支持を集めた。 　県内の小選挙区の投票率は、過去最低だった前回3年前に比べて0.04ポイント高い56.21％だった。

支援者ら120人が祝う　田村氏事務所

　津市博多町の田村憲久氏の津事務所では、午後8時前から約120人の支持者が駆け付けた。投票が締め切られた同8時ごろ早々に当選確実が報道されると、会場から歓声と大きな拍手が沸き起こった。 　同8時すぎ、田村氏と妻の圭子さんが登場。津後援会の宮木康光後援会長の音頭による万歳三唱と、支持者からの花束贈呈に続き、選対本部長の青木謙順県議が「当初から厳しい戦いが想定された中、後援会を中心とした地道な活動のおかげで早々と10期目の当選を果たすことができました。ぜひ日本の政治の中心になり、日本を引っ張ってもらいたい」などとあいさつした。 　さらに来賓として一見勝之知事や前葉泰幸津市長、竹上真人市長、吉川有美参院議員らのあいさつに続き田村氏がマイクを握った。党への逆風で厳しかった選挙戦を振り返り、改めて謝辞を述べて深々と頭を下げた後「最終コーナーを回って政治家としての総仕上げに向かって、古里のため、日本のため、国民のために何ができるかを真剣に考え政治の道をしっかり歩んでいきたい」と力強く決意を述べた。 　田村氏はその後、松阪市茶与町の松阪事務所に圭子さんと移動し、10回目の当確を支持者らと喜んだ。