AI生成の「ネコ顔の花」に騙される人が続出!? ニセ種は少なくとも数百人の手に
「キャッツアイ・ダズル」という架空の花は今年に入って突如ネット上に出現。世界有数のeコマースサイトで種が販売され、数百人が詐欺被害にあった。過去には「青いイチゴ」騒動も──
AIで作られた「ネコの顔のようなかわいらしい花」の画像にだまされ、中国から架空の花の種を買った人が大勢いる。 【画像】ふさふさの毛につぶらな瞳、数百人が騙されたAI生成の「ネコ顔の花」 「キャッツアイ・ダズル」と名付けられた花は、2024年に突如出現。1月以降フェイスブックで複数の販売サイトが宣伝され、画像には「ブロメリア科(パイナップルの仲間)の植物」などもっともらしい説明が付いている。偽ニュース検証サイトによると、販売サイトの登録ドメインはいずれも中国・杭州の組織だ。 その後、販売の舞台は世界的なeコマースサイトのeベイやエッツィーに移り、便乗者が現れた。亜種の画像も数多く作成され、少なくとも数百人が買ってしまったらしい。偽物の種はこれまでもネットをにぎわせてきた。 18年に話題となった「青いイチゴ」は、瑠璃色の果実の画像が添えられてアマゾンや個人サイトで種子が売られた。当時は本物のイチゴの写真の色を画像編集ソフトで変更するだけだったが、今回は画像生成AIの発展でこの世に存在しない花の写真が合成された。 Z世代ならば「何となく不自然」なことが分かるだろうが、比較的年齢の高い、AIの知識に乏しい園芸愛好家がだまされてしまったようだ。
茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)