タランティーノ監督、酷評された『ジョーカー2』を大絶賛「オタクにクソ食らえと言っている」
理由なく人を殺し続ける殺人鬼カップルの逃避行を描き物議を醸した、タランティーノ監督原案の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)からの影響も見て取ったとのこと。「あれは僕が観たいと夢見た『ナチュラル・ボーン・キラーズ』だった。ミッキーとマロリー(『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の殺人鬼カップル)を生み出した男として、彼らがやったことがすごく気に入った。彼が取った演出が大好きだ。つまり、映画全体がミッキー・ノックスの熱に浮かされた夢みたいな」とミュージカルである正当性を説明した。
「そして何よりも、本当に面白いと思った」というタランティーノ監督は、ガラガラのIMAXシアターで大笑いしたと明かす。「(他の客がほとんどいなかったから)笑い声で人を邪魔せず済んだよ。他の人は笑わないだろうなというところでも笑っていたから」。主演のホアキンの演技についても、「これまでの人生で観た中でもベストの一つ」とたたえた。
さらに、監督・脚本のトッド・フィリップスの大胆さを称賛。「ジョーカーがこの映画を監督したんだ。コンセプト全体がそうだし、彼がああいう風にスタジオの金を使ったことさえも──まるでジョーカーがやりそうなことでしょ? そして彼がくれた大きなサプライズは、ハハ! びっくり箱だ。彼は握手のジェスチャーとして人々に手を差し出し、その手を取った人々はビリビリっと感電させられるわけだ。彼は、コミックオタクにクソ食らえと言っている。彼は、映画の観客にクソ食らえと言っている。彼は、ハリウッドにクソ食らえと言っている。彼は、DCとワーナー・ブラザースの株を持つ全員にクソ食らえと言っている」と語り、「トッド・フィリップスがジョーカーなのさ。これはジョーカーの映画であり、彼がジョーカーなのさ」と続けていた。(編集部・市川遥)