熊本城・宇土櫓、屋根の骨組みを解体する様子を公開…32年度の復旧完了目指す
2016年の熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)で5日、解体工事中の宇土櫓(国指定重要文化財)が報道陣に公開された。25年度中に解体を終える予定で、32年度の復旧完了を目指す。 【写真】被災後の宇土櫓
宇土櫓(高さ約19メートル)は慶長年間(1596~1615年)に建設されたとみられる五階櫓で、地上5階、地下1階。大天守と小天守に次ぐ「第3の天守」と呼ばれる。地震で柱が折れたり、壁が崩れたりしたため、今年1月から本格的な解体工事が行われている。
この日は、櫓全体を覆う素屋根の内部と、屋根の骨組みを解体する様子が公開された。市熊本城総合事務所によると、骨組みの3、4割程度は江戸時代から残る松などの部材で、1927年の修理の際に設置された鉄筋の筋交いなども確認できる。部材は再利用する計画で、解体を進めながら状態を調査する。
宇土櫓は毎月第2日曜日に1階部分の外観が特別公開されており、一般客も見学できる。同事務所復旧整備課の岩佐康弘課長は「今しか見られない宇土櫓の姿を多くの人に見てほしい」と話している。