「人の名前が出てこない」「何を買いにきたんだっけ」 老化の象徴・記憶力の低下は「脳の使い方」次第で阻止できる
「顔は浮かんでくるのに、見たばかりの映画に出ていた俳優の名前が出てこない」「身近なモノの名前がなかなか思い出せない」「買い物に行ったのに、肝心なものを買い忘れたまま家に帰ってきた」 【写真】10代、20代の外国選手に交じり、ビキニ姿でポーズを決めるボディービル日本代表は60代! 今も昔も老化の象徴として挙げられてきた記憶力の低下。身内、あるいは自分自身にこういった場面が重なると、ショックを受けるものです。 こういった記憶力の低下も「脳の使い方」次第で阻止できると唱える一冊が登場しました。「ラクする!七田式記憶教室」(七田厚・著、サンライズパブリッシング)です。著者は、幼児教育で有名な「七田式教育」を主宰する七田厚さん。理性的な教育ではなく、感性的な教育をするのが七田式教育の特徴ですが、脳の使い方では年齢を問わず、大人にも応用できるもので、これまでに大人向けの実践書を数多く刊行しています。
「情報を覚える」に加え「記憶の取り出し方」が重要
本書では「記憶力をアップさせるにはコツがある」とし、以下のように解説しています。 記憶というと、それをどう維持するかばかりに意識が向きがちですが、それと同じくらい重要なのは、「どうやって取り出すか」です。つまり、「記憶力」というのは、「情報を覚える力」+「覚えている情報を取り出す力」のことなのです。 「名前がなかなか出てこない」とか「ここまで出ているのに思い出せない」というのは「記憶の取り出し方」の問題です。 (中略) 「何かをしようと隣の部屋に来てみたものの、いったい何をしに来たのか思い出せない」というケースでも、後になって「ああ、そうだった!」と思い出すことは多いのではないでしょうか。そうだとすればインプットされた情報は脳のどこかに保持はされているはずです。要するに、覚えていないのではなく、思い出せないだけなのです。年齢を重ねた人が悩まされがちなのは、むしろこちらではないでしょうか?(本書より)
高齢のほうが優位? 「人の名前を覚える術」
本書ではこういった解説の上で、記憶力向上のユニークな術をいくつも紹介していますが、「若者よりも高齢のほうが優位」だとされる「『経験』を武器にする記憶術」のうち、「人の名前を覚えるための術」を見てみましょう。 ■名前を深掘りして印象を強める 例えば、相手が「千葉さん」だったら、 「千葉さんは千葉出身なんですか?」 「いえいえ、私は東京なんですよ」 「東京出身の千葉さんなんですね。面白いですね」 みたいな会話ができるでしょうし、「満類屋(まるや)さん」のような珍しい名字の人だったら、その由来やどの地方に多いのか、などの情報を聞き出すのも良いでしょう。 ■名前は、特徴とセットにして覚える 例えば、 「女優の●●さんに似ている」 「同僚の●●さんに似ている」 という印象を受けたなら、 「女優の●●さんに似ている斉藤さん」 「同僚の●●さんに似ている山田さん」 というふうにインプットすると良いでしょう。年齢が高い人ほど、ひっぱり出せるデータが豊富なので、これこそ大人にピッタリの記憶法だと言えますね。(本書より)