カップ麺がまさかの発火、ペットボトルが爆発…「ずぼら調理」に潜む危険を専門家が警告
巷で大人気の「ずぼら調理」。近年、電子レンジなどを使って、できるだけ手間をかけない調理法やレシピが、テレビやSNSなどで多数紹介されている。 【画像】カップ麺から発火、ペットボトルが電子レンジによる加熱で爆発! だが、その使い方を誤れば事故に至るケースもーー。 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は9月26日、「“ずぼら調理”が招く危険 ~トリセツをよく読んで「調理家電の事故」を防ぎましょう~」のプレスリリースを発表、注意を呼び掛けた。 同機構の製品安全センター製品安全広報課の安元隆博氏はこう語る。 「2019年から2023年にかけてNTIEには494件の調理家電の事故が報告されています。事故原因が判明したなかでもっとも多いのが、使用者の誤使用・不注意が関係したものでした。 近年、時間効率重視のタイパ(タイムパフォーマンス)志向の高まりもあり、『ずぼら調理』の人気が高まっています。また、電子レンジで調理する食品やその関連商品も増加しています。しかし、誤った使い方をすれば、事故に至るケースもあることを知っていただきたいのです」 「カップ麺を容器ごと加熱したところ、容器が爆発し、電子レンジが破損した」という例も。 「カップ麺のフタにはアルミを使用したものがあります。NITEがおこなった実験では、カップ麺を電子レンジで加熱したところ、フタの付近から発火。また発火はしなくても、高温の中身が吹きこぼれてしまうこともあり、火傷のおそれがありました。 電子レンジに金属は使用不可であることは多くの方がご存じだと思いますし、もちろん取扱説明書にも明記されています。しかし、金属をレンジ加熱してはいけないことを知らないか、あるいは軽い気持ちでやってしまう方がいるのかもしれません」 NITEの公式YouTubeチャンネルでは、こうした実験映像を公開しており、その中には、電子レンジでペットボトルが破裂するものもある。 「キャップをしたままの加熱は非常に危険です。もともとペットボトルは電子レンジで使用不可のものが多いですし、電子レンジ対応のものでも必ずキャップは外してください。 また、電子レンジ内の汚れが炭化して発火することもあります。電子レンジだけでなくオーブントースターも、こまめに掃除することをお勧めします」 「ずぼら調理」では、「少量の油で揚げ物」というものも多いが、これにも注意が必要だという。 「IHコンロは安全性が高いように思われますが、過信は禁物です。取扱説明書記載の油量よりも少ない油で揚げ物をすると、温度が急激に上昇し、温度センサーが機能せず発火する恐れがあります。正しい油量で調理すること、短い時間でも調理中はキッチンから離れないようにすることが大事です」 例年、電子レンジなどで加熱する際に起きる「調理家電」事故は、10月11月にかけて増えるという。タイパ、手抜きも悪くないが、安全の手間は省かないようにしたい。