【イチから解説】北陸新幹線福井へ でも関西が遠くなる?
■直通特急消え途中で「乗り換え」…時短わずか「3分」の区間も
もちろん、乗り換えの手間があっても移動時間が短くなればいいのですが、実際どうなるのでしょうか。12月15日に発表されたダイヤを見ていきましょう。
大阪からの所要時間は富山までは最短2時間35分と29分の短縮。 金沢までは最短2時間9分と22分短縮されます。ただ、福井までだと最短1時間44分と短縮はわずか3分となります。 「3分の短縮のために乗り換え」ではかえって不便と感じる方も多いと思います。なぜこういうことになるのでしょうか。
■新幹線開業で価格アップも所要時間ほぼ変わらず…ナゼ?
当然のことですが、在来線から新幹線に変わる距離の長さで時短の効果は変わります。 敦賀と福井の間はわずか49キロ。いま特急でも29分の距離。新幹線が16分で結ぶことになりますが時短効果はわずかとなります。 そして、もう1つのポイントは乗り換えの拠点となる「敦賀駅」にあります。
特急の到着から乗り継ぎの新幹線の出発まで(その逆の乗り継ぎも)最低8分の余裕をとっています。中にはダイヤの都合で10分以上空く接続もあります。 これも新幹線の時短効果を薄めてしまう原因です。 さらに値段も上がります。 普通車指定席は大阪~福井で6140円が7290円に。大阪~金沢で7790円が9410円に。金沢も22分という短縮時間の割には値段が高くなるという声も聞かれます。 乗り換えが加わり、値段も上がるとなると、関西と北陸の心理的距離が”遠く”なると心配されているわけです。
■接続3分「日本一短い新幹線」の方が便利?敦賀駅「8分」かかるワケ
去年9月、長崎県と佐賀県の間で開業した西九州新幹線も福岡の博多へ行くには乗り換えが必要です。
その乗り換え駅となる武雄温泉駅は新幹線と在来線特急が同じホームに発着し、ホームの反対側の列車に乗ればいいように作られ3分で接続します。
一方、北陸新幹線の敦賀駅は周囲の地形の関係で新幹線ホームは地上から高さ21メートルに設けられました。一方、在来線特急のホームは地上に作られたのでエスカレーターやエレベーターもあるとはいえ上下移動せざるを得ません。また途中に改札も設けられ切符を通す必要もあります。 実際、報道公開された駅の取材で乗り換えを体験し計ってみたら、3分26秒かかったそうです。新幹線列車の端から在来線列車の端まで移動するケースもあり余裕をみて最低8分の乗り継ぎ時間となりました。