元最高裁長官の山口繁氏が死去、92歳…接見交通権や郵便法規定に関する判決に関与
元最高裁長官の山口繁(やまぐち・しげる)氏が11月27日、肺炎のため死去した。92歳だった。葬儀は近親者で済ませた。最高裁が24日、発表した。
兵庫県出身。京大卒業後、1957年に判事補に任官し、司法研修所長や福岡高裁長官などを経て97年3月、最高裁判事に就任。同年10月から2002年11月まで第14代長官を務めた。
長官在任中は最高裁大法廷の裁判長として、身柄拘束されている容疑者が弁護人と面会できる権利(接見交通権)に関する判決に関与。捜査の必要性を理由に制限できるとした刑事訴訟法の規定が憲法に違反するかが争われたが、1999年3月の判決で初の合憲判断を示した。
郵便物を巡り、国の賠償責任を限定した郵便法の規定が争点となった訴訟では2002年9月、書留郵便について「郵便局員の故意や重過失が原因で損害が生じても、国は賠償責任を負わないとする規定には合理性がない」として違憲とする判決を言い渡した。