サイドブレーキ引き忘れの事故散発 「坂道」「用事」共通点 伊豆半島の賀茂地域で死亡例も
賀茂地域で夏以降、車のサイドブレーキの引き忘れによる事故が散発している。2件は運転者の死亡につながっていて、引き忘れが原因の事故は「通常は物損でも年間で1件あるかないか」(下田署)。1市5町を管轄する同署が注意を呼びかけている。 東伊豆町では8月、停車後に動き出した軽トラックと50代男性が衝突し死亡。11月に入り、今度は西伊豆町で40代女性が後ろ向きに動き出した車に巻き込まれて亡くなった。死亡事故は避けられたが、東伊豆町では9月にもサイドブレーキを引き忘れた無人の軽トラックが雑貨店に突っ込んだ。 同署によると、現場はいずれも坂道。加えていずれの運転手も周囲での用事を抱えていた。坂でのサイドブレーキの引き忘れは道交法の停止措置義務違反に当たる可能性があるという。小田巻強副署長「賀茂地域は市街地を含めて坂が多い。不注意が重大事故につながりかねない」と強調する。 下田自動車学校(下田市)の大西将由社長は「引き方が弱いと停車後に車は動く可能性がある」と警鐘を鳴らす。その上で定期的な点検によりブレーキの効き具合を確認するよう説く。
静岡新聞社