51歳で若年性認知症と診断された女性 「人生を悔いなく」 歌やライブが生きる支えに…
4人の子どもを持つ母でもある弥生さん。 子育てをしながら、札幌のシェアサイクル「ポロクル」の立ち上げに携わるなど仕事にも打ち込んできました。 認知症と診断されたのは、弥生さんが51歳の時でした。 (夫・光紀さん)「仕事で大きなミスをして、こんな大事なことを忘れるのかなってことを、どうしたもんだろうかと感じた」 (横山弥生さん)「自分自身に起こることとは思っていなかったので、認知症という病名がついてすごく複雑な、納得感と困惑があった」 国内の患者は3万5千人以上と推定される若年性認知症。 ただ、抜本的な治療法は確立されていません。
うつうつとした日々のなかで、光紀さんとの会話に光を見出します。 (夫・光紀さん)「(認知症は)感情が残るということだったので、楽しいことはなんだろうねって聞いて、歌を歌うことかなって話になったから、ライブをやろうかって言った」 (横山弥生さん)「音楽は学生のころから好きでやっていたことだったので、たぶん言ってくれたんだと思う」
2か月に1回ライブも開催。 本番を4日後に控えたリハーサルでも笑顔が弾けます。
歌は弥生さんの生活を大きく変えていきました。 英会話教室の助手を担うなど積極的に外に出るようになり、持ち前の「笑顔の場面」も増えています。 (横山弥生さん)「英語楽しい?」 (園児)「うん!」
江別市のライブハウスで迎えた「本番」当日。 (横山弥生さん)「歌の歌詞を残念ながら覚えていられなくて、歌詞を見ながら歌うスタイルでやってます」 歌詞を指でなぞりながら歌います。
会場には、光紀さんの姿も… (横山光紀さん)「これがずっと続くといいなと本当に思ったし、いちばん素の笑顔がでるステージの上が(弥生さんの)居場所だなって」