「皇帝」の名を決定づけたシンボリルドルフ 馬なりで3馬身差の楽勝/1984年・セントライト記念
【記者が振り返る懐かしのベストレース】セントライト記念は菊花賞を目指す関東馬にとって重要なトライアル。春の実績馬が西下前の秋初戦として、また夏に力をつけた上がり馬が力試しに参戦する。ここをステップに菊の栄冠を射止めた馬も多い。前者の代表がシンボリルドルフなら後者はアカネテンリュウか。 【表】1984年セントライト記念結果 そんな伝統の一戦の勝ち馬はそれぞれに印象深いが、その勝ちっぷり、インパクトから言えば、やはりシンボリルドルフがナンバーワンだ。勝ちタイム2分13秒4は当時のレコード。少々相手に恵まれはしたが、2着オンワードカメルン以下に3馬身差をつける楽勝で、ルドルフ自身は全くの馬なり。“次元が違う”という表現は、この日のルドルフにこそふさわしい言葉だろう。 そして、この勝利が皇帝の地位を真に決定づけるものとなった。すでにルドルフは皐月賞、日本ダービーの2冠を制覇。“3冠達成はほぼ間違いなし”というムードは濃厚だったが、本当に馬に実が入ってくるのは3歳の秋。夏を越えてたくましく成長した姿を強烈にアピールしたセントライト記念の勝利は、皇帝としての第一歩と言っていい。 この後、ルドルフは“絶対的な”存在として日本のターフに君臨することになる。(2012年9月12日付東京スポーツ掲載)
東スポ競馬編集部