清い心で新年へ 法然像のほこり払う、京都・知恩院で「御身拭式」
浄土宗総本山の知恩院(京都市東山区)で25日、宗祖・法然の木像にたまった1年のほこりを払う「御身拭(おみぬぐい)式」が営まれた。僧侶がお香で清めた絹の布で丁寧に像の汚れを拭き取り、新年を迎える準備を整えた。 江戸前期から続く伝統行事で、毎年法然の月命日にあたるこの日に行われる。1年間のほこりを落とすだけでなく、心の中にたまった罪を除き、清い心で新年を迎えるための師走の風物詩となっている。 御影堂ではこの日、僧侶や檀信徒ら約500人が木魚を打ち鳴らして念仏を唱和。4人の僧侶が黄金色の宮殿(くうでん)の厨子(ずし)の扉を開き、高さ60センチの像を丁寧に運び出した。 その後、「覆子(ぶくす)」と呼ばれるマスクで口を覆った貴田善澄(ときだぜんちょう)執事長らが白い布を像の顔や体にあてて、丁寧にほこりを拭い取った。(田中幸美)