大阪湾で昨年1月に死んだマッコウクジラの処理費が大阪市の当初の試算から2倍以上に膨らんだ問題で、市監査委員は26日、「金額ありきで委託業者との価格交渉が進められてきたと強く疑念を抱かざるを得ない」などとして、横山英幸市長に契約の詳細を調査するよう勧告した。市民らの住民監査請求を受け、経緯を調査していた。 　クジラは昨年1月13日に淀川河口付近で死んでいるのが確認され、市大阪港湾局は元市職員が勤務する市内の海運業者に処理を依頼。19日にクジラは作業船で紀伊水道沖に運ばれ、海底に沈められた。急を要する作業だとして、市は入札はせずに随意契約で進めた。 　クジラの処理後、業者側は費用として8625万円を提示したが市側は3774万円と試算。価格交渉を経て同年3月末、8019万円で契約した。この経緯をめぐり、通常は直接交渉に関わらない立場の同局経営改革課長（当時）が、試算額を8千万円に引き上げるようメールで局内に求めたり、業者との協議にも同席したりしていたことが明らかになっている。市は今年2月から、契約締結にいたった経緯を調査している。