【日本市況】日経平均4万円に戻す、半導体急伸-円と債券は持ち直す
東証33業種は電機やサービス業、銀行業、精密機器、機械、輸送用機器など19業種が上昇。海運業や鉄鋼、電気・ガス業など14業種は安い。材料銘柄ではパロマ・リームホールディングスが株式公開買い付け(TOB)を行う富士通ゼネラル、経営統合の検討事実が判明した太陽ホールディングスとDICが急伸。
外国為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=158円台前半と昨年7月以来の安値を付けた後、157円台後半まで下げ幅を縮小。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて円売りが強まったが、加藤勝信財務相が円安をけん制したことで持ち直した。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、財務相発言について「158円台で円安・ドル高が進みやすくなっていたため、いったん円売りの動きを止める意図があったのではないか」と分析。日本時間夜に発表される米国の求人件数や供給管理協会(ISM)非製造業景況指数を控え、円売りは一服しそうだと言う。
もっとも、三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、追加利上げに慎重な日本銀行の姿勢や米経済統計の堅調を背景に「円売り・ドル買い地合いは続きやすい」と指摘。あおぞら銀の諸我氏も、きょうの米統計が強い結果となれば、159円に迫る可能性があるとみる。
債券
債券相場は先物が小幅高。この日行われた10年国債入札が強めの結果となり、買い優勢に転じた。新発5年国債利回りは15年半ぶりの高水準から上昇幅を縮小し、新発30年債利回りは10年以来の高水準から横ばいに戻した。
アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジストは、年末からきょう午前まで相場が調整していたため、10年債入札では買いが入りやすかったと指摘。「年末年始にかけて国内投資家がマーケットから引いた中、ヘッジファンドなど海外勢が円安をきっかけに中期ゾーンの円金利を売っていたが、しっかりした入札結果を見て意外感のある金利上昇が止まると期待する」と述べた。