山根元会長の“奈良判定”で奈良ボクシングジムが風評被害のとばっちり!?
実は同ジムは、ただ1点だけ“奈良判定”との関連がある。露骨な不正判定の代表とされた2016年の岩手国体で勝った側の奈良の選手が、小、中学生の時期に、同ジムで練習していたのだ。 映像にはモザイクがかけられ、選手名も公表されていないため、この選手が、ここで練習していたという情報は、ネット上でもほとんど流れていないのだが、それを審判不正と結びつけられても、まったくのとばっちりだ。そもそも審判不正問題で選手側には何の罪もなく、むしろ被害者だろう。 “奈良判定”に関しては8日に再興する会が新しい音声データを公開した。そのなかで山根元会長は、ハッキリと「接戦した場合、やっぱり奈良やな。それ反対につけた場合は『お前なめてるんか?』てなってくるわけ」と語っており、不正判定を強要していたと思われる実態が明らかになった。 山根元会長は、独裁的な権力で審判団へ圧力をかけ、言うことを聞かなかった審判からはライセンスを剥奪するなどのペナルティを科して雁字搦めにしてきた。山根元会長は、奈良から連盟での活動をスタートして苦労しながら奈良県連の会長にまで上り詰めるなど、“第二の故郷”の奈良に人知れぬ思い入れがあるのかもしれないが、審判不正問題は、再興する会が最も問題視している点。 「勝ったものを負けにされる」ゆがんだルールは、現場の指導者を戸惑わせ、選手のモチベーションを低下させ競技レベルの悪化にもつながる大問題。「ボクシングをやりたいと思う子供がいなくなる」との危惧もある。ただ“奈良判定”の報道が出て以来、今回の奈良ボクシングジムのような風評被害が増えてきた。 先日の会見でアトランタ五輪代表で、告発人に名を連ねている新潟県ボクシング連盟の仁多見史隆・副理事長も、その点について遺憾の意を伝えていた。 「この審判不正に関しまして、勝利者の選手が手を上げられるのを一度拒む姿勢であったり、勝った選手も負けた選手も深く傷つくことや、本来称え合わなければならない場面を奪い取ってしまっている現実を取り上げて欲しかったのでありますが、テレビでは奈良判定という単語だけが出回ってしまいまして、世間を騒がせてしまいました。特に審判不正にまったく関係のない奈良県の選手や、関係者の方々には、大変ご迷惑をお掛けいたしました。これについては、遺憾の意を表したいと思います」