日本株、中国株に5年ぶりの大差-MSCIアジア指数ウエート
(ブルームバーグ): 日本株が今年大幅に上昇したことからアジアのベンチマーク指数における日本株と中国株のウエートの格差は、2018年終盤以来の高水準付近となっている。投資家の間で両国市場に対する選好の変化が浮き彫りになった。
ブルームバーグ集計データによると、3月末時点のMSCIアジア太平洋指数における日本株のウエートは約35%、中国株は約14%で21ポイントの開きがある。
21年には格差が一時わずか5ポイントと、中国が日本を抜いてウエートでトップになるのではないかとの見方が広がっていた。
格差拡大に拍車をかけているのが今年の日本株高だ。マイナス金利解除を背景に海外投資家や個人投資家が日本株を買い増し、東証株価指数(TOPIX)は今年に入って16%余り上げている。一方、中国本土株の指標CSI300指数は最近反発したものの同期間の上昇率は約3%にとどまり、21年のピークをなお40%近く下回っている。
ただ、中国経済に回復のさらなる兆しが見られることから、政府系基金の株式買いやグローバルファンドからの戦術的な資金流入の後押しを受けて最近の株価上昇が続けば、中国のウエートは高まる可能性がある。
バンク・ジュリアス・ベアのアジア調査副責任者ケリー・チア氏はリポートで、「日本は依然としてS&P500種株価指数と競合する市場だ」とした上で、「目先のリスクは、中国の状況が好転した場合、株価反発を見込んで中国に回帰するため日本で利益確定売りが行われる可能性があることだ」と指摘した。
原題:Japan’s Weighting Hits Five-Year High Versus China on Asia Gauge(抜粋)
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Ishika Mookerjee