「無理なポジティブ思考」は逆効果。不安な感情を解消する方法とは？

大事な会議やプレゼンテーションが目前に控えているとき、緊張や不安を感じるのは当然のこと。 それにもかかわらず、「良い運気が流れてる」とか「君ならできる」というような無理矢理なポジティブ思考に辟易しませんか。 もちろん、恐怖を感じたときに自分を励ますことは有意義です（緊張をともなう行為の前には、「私には必要なスキルはすべてある」と呪文のように言い聞かせます）。 表面的・意味のないポジティブな言葉でとり繕うよりも、ネガティブな感情を受け止めることにも価値があるのです。

不安なときは「気晴らし」をするほうが効果的

不安や心配なときは、ポジティブ思考で自分を鼓舞するのが一般的です。 それも悪くはありませんが、研究によると、ありきたりなポジティブ思考よりも、気晴らしをするほうが不安が軽減されることがわかりました。 その研究では、学校の生徒を以下の2グループに分け、初対面の体育教師が評価するなかで、クラス全員の前でバスケットボールのジャンプシュートを実践します。 半数の生徒には、自分に対してポジティブ思考を繰り返すように依頼。 残りの半数の生徒には「木に3羽の鳥が止まっている」とか「父親の車について」など、日常のどうでもいいことについて考えて気を紛らわすように依頼。 上記の結果、気を紛らわせた後者の生徒は不安を感じるレベルが抑えられ、ポジティブ思考を実践した生徒は「不安を感じるレベルが著しく増し、最悪の事態を想定したり、パフォーマンスや出来栄えに対するネガティブな予測が増した」ことがわかりました。

気晴らしは一時的な解決策

「Verywell Mind」によると、気晴らしをうまく使うときは、強烈なネガティブな感情から一時的に自分の気をそらすために使うのが大事だとあります。 とはいえ、気晴らしは激しい感情を和らげるだけで、長期的な解決策や、ネガティブな感情から完全に逃れるための逃げ道としては機能しません（最初の強烈な感情が収まったら、気持ちを書き出すなど別の方法を用いて、気持ちをコントロールするようすすめています）。