地域の魅力、自分の力で探究 三重の明和中2年 「ふるさと体験学習」始まる
三重県多気郡明和町坂本の町立明和中学校(川田佳也校長、590人)は、町が進める教育大綱実現に向けた教育整備の一環で、本年度から初めて2年生による探究学習「明和ふるさと体験学習」をスタートさせる。10日午後2時35分からは同校体育館でスタートアップ講座を開き、町教育委員会教育課のCS(コミュニティースクール)・小中一貫教育推進員を務める森井義和さん(60)から目的や意義についての話を聞いた。 町は、2023(令和5)年4月に定めた町教育大綱の基本理念「未来を築く豊かな人間性と創造性を備えた人づくり」に基づき、26(同8)年度の町立明和北小学校の開校に向けて▶CS「人とのつながり」▶小中一貫教育「学びのつながり」▶郷土文化学習「ふるさとのつながり」――の三つの重点政策の実現に向けた整備を進めている。 今年からカリキュラムを開始するに当たり、中学では小中一貫教育と郷土文化学習として「明和ふるさと体験学習」を実施。また小学校では「明和科」(仮称)と題しプロジェクトチームがオリジナルの副読本を作成している。 中学で行う体験学習は、各クラスで6、7人ずつ▶歴史▶伝統文化▶伝統産業▶地域活性化▶環境・福祉――の五つの探求テーマに分かれ、各班での課題解決学習や地域学習を行い、地域の特色や良さを発見するのが目的。今月から12月まで、総合学習の時間を使って実施する。同中では例年、2年生が町内の事業所で職業体験をする「明和いきいき体験」を実施しているが、年間を通じた体験学習は初めて。 この日のスタートアップ講座には、2年生199人が参加。森井さんから体験学習の意義や目的について話を聞いた。 森井さんはこれから求められる力について「答えが一つではない問いに対して、他者と協働して納得解を求める力が必要」と話し、地域のことを探求し、学びながら自分たちなりの答え(=納得解)を見つけるのが大切と説明。 また、自身が校長時代に松阪市立飯高中や飯南中で行っていた体験学習の発表の様子の動画や生徒の感想などを紹介しながら、体験学習の流れを説明し「先生も一緒に探求活動をするので、先生を頼らず自分たちで考え、調べ、行動して明和町の新たな発見を楽しんでもらえたら」と締めくくった。 前田珀空君は「料理をするのが好きなので、日本酒や伊勢たくあんなどを調べる伝統産業の研究をしたいと思いました。学習では自分から積極的に調べていきたい」と話した。 今月中旬ごろ各班のテーマや課題選択を行い、6月ごろから班による自主調査をスタートする予定。