【有馬記念】複勝率7割、単回収率1000%超の最強タッグを発見 データで導く穴馬候補3頭
斤量有利の3歳、今年は牝馬? ハーパー
2頭目は3歳牝馬のハーパー。クイーンCの好時計勝ちなど素質は見せているが、GⅠでは2~3着止まり。距離はあった方がいいタイプで、オークスが最大のチャンスだったと思うが、いかんせん同期にリバティアイランド。相手が悪かった。 言い尽くされた感もあるが有馬記念は3歳有利。成長により古馬との能力差がどんどん縮まる時期にありながら、斤量差は10月末の天皇賞(秋)などと同じく2キロ。また、古馬はトップ層がジャパンCを大目標に据える傾向もある。このあたりが原因だろう。 過去10年の年齢別成績を見ると3歳【4-3-2-16】複勝率36.0%。4~5歳【6-7-7-82】複勝率19.6%、6歳以上【0-0-1-32】複勝率3.0%とは一線を画する。3歳馬で、クラシックでの連対歴があれば【3-3-2-5】複勝率61.5%、複回収率163%。素晴らしい数字だ。 タスティエーラ、ソールオリエンスもいいが、今年は牝馬のハーパーも検討してみたい。オークス2着時の走破時計は2:24.1。ペースの差があったのは確かだが、ダービーの勝ち時計(2:25.2)より単純比較で1秒も速い。オッズの部分も考えると「現3歳世代は牝馬>牡馬だった」というシナリオにベットしてみるのも面白そうだ。
池添学厩舎の「最強助っ人」バウルジャン・ムルザバエフ プラダリア
3頭目、大穴プラダリアが気になって仕方ない。実績はGⅡ・2勝、GⅠはダービー5着が最高着順。おそらく2桁人気になりそうだ。ただ、今年の宝塚記念では0.4秒差の6着。全くチャンスがないというほどでもない。 管理する池添学厩舎の傾向は面白い。短期免許の外国人騎手を起用してきたら勝負。これがデータから明らかだ。 過去5年で短期免許騎手を起用したケースでは【16-11-12-49】複勝率44.3%、単回収率180%、複回収率118%。JRA所属騎手の場合は複勝率31.9%、単回収率75%、複回収率76%だから一目瞭然だ。 そして、そんな池添学厩舎にとって「最強助っ人」と言えるのが騎乗予定のバウルジャン・ムルザバエフ騎手。タッグを組んだ際の成績は驚愕の【3-1-3-3】複勝率70.0%、単回収率1068%、複回収率355%。ドゥラエレーデのホープフルS14番人気Vで数字的にぶっ壊れた感は否めないが、優秀なことには違いない。 プラダリア自身、これまでレース上がりを35.4秒以上要した際は【3-0-1-2】となかなかの好成績。タフな中山芝2500mは初めてだが、適性的にはいかにもマッチする。ロマンあふれる大穴馬券を握りしめ、直線で「ムルザバエフ!」と叫ぶのも一興ではないか。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ