関西で最多！？地形由来の名字を代表する「山本」。ルーツは山のふもと
山本（やまもと）
東日本では、日本人を代表する名字は「佐藤」か「鈴木」だと思っている人が多いですが、関西では「田中」か「山本」と感じています。実際、関西では、この2つの名字が最多を争っています。 「山本」は「田中」とともに地形由来の名字を代表するものです。 「山のふもと」というのは、古来から人が好んで住んだ場所でした。今でも農村地帯に行くと山の麓に1本の道があって、その両脇に人家が立ち並んでいて、そこから広がる平らな土地は耕されて水田となっていることが多くあります。 この山の麓の人家のある場所こそが、山本さんのルーツです。こうした場所は各地にあり、「山本」さんルーツの場所を特定するのは難しいのです。 古くから人口密度の高かった西日本では、名字のルーツとしては地名だけでは足りず、各地で地形に因む名字も多く誕生しました。地形由来の場合は各地で同じ名字が誕生するため、西日本では地形由来の名字を名乗る人が多いです。 ただし、「山本」は西日本だけに多いというわけではありません。全国ランキングでも7位に入っている他、都道府県単位で40位以下なのは、宮城県、山形県、鹿児島県、沖縄県の4県しかなく、全国に広がっています。 なお、「山本」というと庶民の名字というイメージが強いが、実は公家にも山本家という家があります。
森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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