埼玉県内で初…保全活動で野生復帰 「野生絶滅」のムジナモ、「絶滅危惧IA類」に変更 県のレッドリスト改訂 羽生が国内最後の自生地 台風で流出、翌年までに消滅…近年は100万株超まで回復
埼玉県は7日、県内で絶滅の恐れがある動植物をリストアップした「レッドリスト2024植物編」を公表し、「野生絶滅」とされていた食虫植物のムジナモが「絶滅危惧IA類」に変更され、野生復帰した。県によると、保全活動による野生復帰事例は県内初で、国内でもまれという。 カミツキガメは駆除…“コバトン”モデルのシラコバト、外来種だが保護対象 注目の企画展を開催【写真5枚】
沼や水田の水面に浮かぶムジナモは、県内では1921年に羽生市三田ケ谷の宝蔵寺沼付近で初めて発見され、66年5月に宝蔵寺沼が国内最後の自生地として国の天然記念物に指定された。同年8月の台風で流出し、翌年までに消滅。羽生市や羽生市ムジナモ保存会、埼玉大学などの取り組みにより、近年は100万株を超えるまでに回復した。 大野元裕知事は7日の定例会見で「ネイチャーポジティブ(自然再興)を進める中で象徴となる事例が出てきたことは極めてうれしい」と述べた。 植物編の改訂は2012年3月以来13年ぶり。掲載種は82種増加し、1113種となった。レンゲツツジやアヤメは絶滅の恐れが高まった。レッドリスト掲載種を詳しく解説した「レッドデータブック2024植物編」は3月に発行を予定している。