なぜ市町村は警戒レベル5「災害発生情報」を発令しないのか?
「極めて有効」な情報ならば…
振り返ると、今年7月初旬の大雨によって、鹿児島県内で中小河川の氾濫や土砂災害が発生した時も、警戒レベル5「災害発生情報」は発表されなかった。 警戒レベル5「災害発生情報」の発令が「可能な範囲で」とされていることが影響しているのかもしれない。この文言があるため、「無理に発令する必要はない」と捉えている自治体が多いのだろうか? それとも、何をもって災害発生を把握したといえるのか、明確な判断基準がないことが問題なのだろうか? 警戒レベル5「災害発生情報」について、内閣府防災担当の資料は「災害が発生しているとの情報は、命を守る行動のために極めて有効である」という中央防災会議の専門家によるワーキンググループの報告の言葉を使って説明している。だとすると、市町村がその情報を発令しない現状には何らかの課題があり、その運用の仕方については、まだまだ工夫が必要だということだろう。 飯田和樹・ライター/ジャーナリスト(自然災害・防災)