ファンクの伝説ジョージ・クリントンがエリック・クラプトンから学んだことを語る
ジェームス・ブラウンとスライ・ストーンに並びファンクのパイオニアとして歴史に名を刻み、パーラメントとファンカデリック(Pファンク)を率いたジョージ・クリントン。ヒップホップ、ダンスミュージック、サイケデリックロックなどにも多大な影響を及ぼした伝説的なアーティストの彼が、先日公開されたアマゾンAudibleの「Words + Music」シリーズに登場した。 【動画】ジョージ・クリントン&Pファンク全盛期のライブ映像、ハリウッドの殿堂入りを果たしたジョージ・クリントン 常に前衛的な音楽に挑戦し、新しい扉を開いてきたジョージ・クリントンだが、彼は“新しい音楽”を奏でるにも過去のことを知る必要があると語る。 「新しい音楽に合わせて新しいダンスを練習するかもしれないけど、新しい音楽もグルーヴは昔と同じなんだ。私は1950年代に当初ブラックミュージックとされていたロックンロールが、後に白人の音楽になったのを見ていたから、当時ファンクにフォーカスした。1960年に突入した頃には、私はロックンロールをやってはいけないと思っていたし、白人の音楽になっていたからクロスオーバーしないとやってはいけないと勘違いしていた。本当はそんなことなかったはずなのに。ジミ・ヘンドリックスがいたけど、彼ぐらいだった。 でもそのような“自分たちの音楽”について、エリック・クラプトンから学ぶことのほうが多かった。ブルースは自分にとっては両親が聴くような音楽だったし、子供は自分の親が聴いている音楽は好まない。でもそれが理解できるような年齢になると、“自分たちのルーツとなる音楽を学ばないと!”って思うんだ。まさかイギリスのエリック・クラプトンから、ロバート・ジョンソンについて学ぶとは思わなかったよ!ちゃんと注意して聴くと、ブルースもロックンロールもファンクもルーツは同じで、ファンクはまだ多くの人がやっていない部分でしかないってことがわかったんだ」 ジョージ・クリントンは自身が音楽を始めた当時、ロックンロールが既に「白人の音楽」になっていたと感じたため、ファンクにフォーカスしたとコメントした。しかし先人たちを学びルーツを理解するにつれ、自身のスタイルも確立することができたようだ。 以前Rolling Stone誌のインタビューに登場した彼は、以下のように白人がブラックミュージックをやることについて“リスペクト”が重要だとも語っていた。 「エリック・クラプトンとクリームと出会ったときに思い知ったんだ。彼らは私よりはるかにブルースについて詳しかったし、恥ずかしかったよ。クラプトンはロバート・ジョンソンについて知っていて、私は知らなかった。だからリスペクトを込めていれば、そのような音楽をやる権利があると思うんだ。レッド・ホット・チリ・ペッパーズだって、ファンクネスにおいて期待を裏切らなかった」