ドジャース・大谷 2年連続5冠へまず1冠!シルバースラッガー賞 イチローに並ぶ3度目受賞
大リーグ機構は12日(日本時間13日)、打撃のベストナインに相当するシルバースラッガー賞を発表し、ドジャースの大谷翔平投手(30)がナ・リーグDH部門で選出された。エンゼルスでア・リーグ同部門で選ばれた昨季に続き2年連続3度目。日本選手ではマリナーズで01、07、09年に外野手部門で選ばれたイチローの3度に最多で並んだ。MVPなど栄誉ある5つの表彰をコンプリートした昨年に続き、受賞ラッシュが幕を開けた。 所属がア・リーグのエンゼルスからナ・リーグのドジャースに変わった。対戦相手や遠征先など取り巻く環境が変わっても、大谷は大谷だった。昨季に全5冠に輝いたオフの主要表彰で、まずは2年連続3度目のシルバースラッガー賞を受賞。1年の努力が報われる受賞ラッシュが、いよいよスタートした。 「打撃のベストナイン」である同賞は各球団の監督やコーチが自軍以外の選手に投票してポジションごとに最も優れた打者を表彰する。日本選手で3度目の受賞はイチローに並び最多。ナ・リーグでの受賞は日本選手初だった。 右肘手術の影響で打者専念の今季は54本塁打、130打点でともにタイトルを奪取。打率もリーグ2位の.310で3冠王に肉薄したが、何よりも前人未到の「50―50(54本塁打、59盗塁)」を達成した。ナのDH部門の最終候補で一騎打ちとなったブレーブスのオズナも打率.302、39本塁打、104打点をマークしたが、歴史的な成績を残した大谷の選出は順当だった。 今後は14日(日本時間15日)にア・ナ各リーグで傑出した打者に贈られる「ハンク・アーロン賞」、リーグの区別なく最も活躍したDHに贈られる「エドガー・マルティネス賞(最優秀DH)」や「オールMLBチーム」のファーストチーム(DH部門)が一気に発表され、いずれも受賞が確実。その後に新人王、サイ・ヤング賞など“対象外”の表彰が続き、21日(同22日)には、こちらも受賞が確実なナ・リーグMVPが発表される。DH専任ではメジャー初となるが、最大の焦点は3度目の満票受賞なるか。いずれにしても2年連続5冠は確実だ。 大谷はワールドシリーズを制覇して「This is so special moment for me.(私にとってこれは特別な瞬間)」などと英語でスピーチしたドジャースタジアムでの優勝報告会から4日後の5日に左肩脱臼による関節唇損傷の修復手術を受け、来季の二刀流での復帰に向け現在はリハビリ中。大リーグ専門局「MLBネットワーク」による恒例のMVP発表中継で術後初めて姿を見せるとみられる。昨季は愛犬デコピンとともに中継に登場した大谷。ユニホームが変わっても、オフの話題の中心にいる。 ▽シルバースラッガー賞 80年に創設され、打撃のベストナインに相当する。監督やコーチの投票で両リーグで各ポジションから選ばれ、自チームの選手には投票できない。歴代最多受賞はジャイアンツなどでメジャー最多762本塁打を放ったバリー・ボンズの12度で、DH部門ではレッドソックスなどで通算541本塁打のデービッド・オルティスの7度が最多。日本勢では大谷の他にイチローがマリナーズ時代に外野手として3度受賞している。