大丸札幌店、10日に帯広発着バス運行 旧藤丸客呼び込み狙い 商圏拡大も
大丸札幌店が札幌圏以外の顧客を増やすため、新たに帯広市内発着の実質無料の送迎バスを10日に運行する。百貨店で買いものがしたいが、交通費や自動車の遠距離運転による負担が重いと感じている潜在客を取り込む狙い。帯広の藤丸が閉店するなど、道内地方都市から百貨店が相次ぎ撤退する中で商圏を拡大し、新たな需要を引き出したい考えだ。 【図】大丸札幌店の送迎バスイメージと2014年以降閉店した道内の主な百貨店 10日に運行するバスは午前7時に帯広市中心部を出発。十勝管内音更町を経由し、11時ごろに大丸札幌店に到着する。店内での買い物や飲食を楽しんで、帰りは午後3時半に出発。帯広には7時に戻る旅程だ。利用料は1人2千円だが、大丸札幌店で使える2千円の商品券と千円分のランチ券が配布され、店内で買い物をすれば実質無料となる。 帯広では昨年1月に百貨店の藤丸が閉店した。ただ、閉店直前でも年50億円近い売上高があり、大丸札幌店の担当者は「藤丸が地域に根付いていた十勝には、多くの人に『良いモノは百貨店で、選んで買いたい』という意識が残っている」とみる。十勝発着のバスで藤丸の顧客を呼び込むことに加え、新たな百貨店ファンの掘り起こしが期待できると企画した。 事前の評価は上々だ。今年3月に同店のスマホアプリで参加者を募集すると、定員40組(80人)のところ、幅広い年齢層から、100組を超える応募があった。利用者は抽選で選んだという。